ポカリの「瓶」は本当にエコなのか 大塚製薬に聞いてきた:メルカリで転売も(2/5 ページ)
大塚製薬は、再利用を想定した「ポカリスエット リターナブル瓶 250ml」を発売した。循環型社会を実現するために、ビンでの販売しているわけだが、さまざまな課題も浮き彫りに。本当にエコな取り組みなのか……。
専用返却ボックスに瓶を返却、77円が戻る
大塚製薬は循環型社会の実現に向け、さまざまなアプローチやチャレンジを続けている。「ポカリスエット リターナブル瓶」は、数十回の再利用に耐え得る強度、ポカリスエットの品質基準をクリアした瓶を用いた製品で、瓶を回収して再利用するビジネスモデルだ。
7月12日から東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、茨城県、京都府のイオン、及びイオンスタイル66店舗で販売している。
瓶の回収は、米国テラサイクル社が開発した循環型ショッピングプラットフォーム「 Loop(ループ)」を活用。これは、従来使い捨て容器で販売されていた製品をリユース可能な容器で販売し、使用済み容器を回収、洗浄・製品の再充填を行い再び販売するシステムだ。
ループでは、「ポカリスエット リターナブル瓶」以外にも、「ハインツ トマトケチャップ Loopボトル300g」や「ロッテ Loopキシリトールガム ライムミント」など複数の商品を扱っている。容器が空になり、イオンの取り扱い店舗に置かれた専用ボックスに返却すると、容器代が返金される。
大塚製薬の担当者によれば、「ポカリスエット リターナブル瓶」の開発期間は2年強に及び、その時々の社会要請などを背景に、さまざまな容器の検討が行われてきた中で生まれてきた発想だという。
「同製品は、リデュース、リユース、リサイクルの3Rのうち、リユースに位置付けられます。リターナル瓶は回収、洗浄、再び中身を詰めて商品化されるためゴミにならず、また原料や生産エネルギーも不要になることから、循環型社会に寄与する取り組みと考えています。瓶の開発では、数十回の繰り返し利用を想定した試験を行いました」(担当者)
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