人は変化を好まない それでも、総務が会社を変えるには?:「総務」から会社を変える(2/3 ページ)
多くの社員は、変化を好みません。それでも、総務は会社に変化をもたらさなければなりません。どのように取り組めば社内を変えられるのか、総務が知るべきチェンジマネジメントの考え方をお伝えします。
2・6・2の原則
真ん中の6割は、目指すべきところの意味は理解しているのですが、「具体的な方法が分からない」「まだ早い」と考える、あるいは様子見をする層です。最後の2割は、抵抗勢力となります。得てして、この層に声が大きい人が存在し、その声に押されて物事が進まない、という事態に陥ります。
この2・6・2は、ほとんどの場合に存在すると言われますから、反対にあっても、「抵抗勢力の2割が言っているのだな。これは普通にいるのだ」と認識しておきましょう。その方が精神的に楽になれるかと思います。アメリカの有名な教育学者も、ある学校を改革しようとしたときに、最初、この最後の2割から変えようと努力したのですが、心が折れるだけで何も変わらなかったといいます。
上位2割を見つける、あるいは作り出す
では、どう取り組んでいけばいいのでしょうか。成功パターンの一つとして、上位2割の優秀層を見つけ、あるいは作り出すことが挙げられます。この上位層を目指すべき社内事例として、真ん中の6割をターゲットに情報発信していくのです。
この6割は「やった方がいい」とは思っていますが、何らかの理由でまだ自主的には動きません。そこに、身近な事例を挙げ「これならあなたでもできますよね」とメッセージを発信することで巻き込めます。そのようにして、社内報や社内イントラネットなどのメディアで事例を紹介していくのです。
社内の公式メディアで、一部における変化を大々的に紹介することで「社内的に大きな変化が起きている」という認知を作り出せます。また、身近な社内の知り合いの事例を提示することで、残りの人の背中を押すことができ「これなら私でもできる」「このようにすればいいのか」という意識に変わっていきます。さらに、いい変化が起きていることを示すことで、推進活動のへの抵抗感を和らげ、意味・意義の理解を促すこともできます。
組織と個人双方にとっての利益を見せる
こうした情報発信で重要なのは、「自社の事業」や「従業員自身」にとっての必要性や関連性を明示することです。「へえ、そんなふうに変わってきているんだ。で、自分に何の関係があるわけ?」という態度に応える情報発信が求められます。当事者意識を持ってもらい、自らに投影し、具体的なイメージにまでつなげなければなりません。
そのためには、「現状の問題点」「その問題が発生した背景」「現状を維持し続けた場合の、暗い将来像」を指し示します。そして「変革の先に見据える、明るい将来像」を伝え、実行によって得られる、組織と個人双方にとっての利益を見せてあげることです。
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