「近畿のオマケ」和歌山行きの飛行機に、なぜ客が増えているのか:「旅の満足度」が1位(3/4 ページ)
いま、和歌山県に熱い視線が注がれている。白浜町の南紀白浜空港は今年4月以降、搭乗客数が4カ月続けて月別の過去最多を更新。旅行専門誌「じゃらん」が7月に発表した宿泊旅行調査の「都道府県魅力度ランキング」では、北海道や沖縄を抑え総合満足度1位に輝いた。県民自ら「近畿のオマケ」と卑下するなど、影の薄さが目立ってきた和歌山県。一体何が起きているのか。
旅の満足度「沖縄」を抑え1位に
南紀白浜空港で月別の搭乗客数が過去最多を更新していることに加え、もう1つ大きな話題を呼んだのが、7月に旅行専門誌『じゃらん』が発表した22年宿泊旅行調査の「都道府県魅力度ランキング」だ。
今年で18回目の調査となり、全国1万4000人から回答を得た。訪問した旅行先を5段階で評価してもらい、上位2つの「とても満足」「やや満足」を合わせた割合の高さでランキング化した。
この結果、和歌山県は総合満足度91.0%を獲得。前年1位だった沖縄県(90.8%)に0.2ポイントの差をつけてトップとなった(関連記事)。
和歌山県が都道府県別で高い評価を得た項目は、「子どもが楽しめるスポットや施設・体験が多かった」(3位)、「いい宿・ホテルがあったから」(6位)、「魅力的な温泉があったから」(6位)、「ご当地ならではの体験・アクティビティが楽しめた」(7位)――など。
世界遺産の高野山や熊野古道をはじめ、アドベンチャーワールドなどのテーマパークを擁する点にも支持が集まったと考えられる。
この結果について、県観光振興課の担当者は「すばらしいことだと思う」と喜ぶ。県ではコロナ禍以降、県民の県内旅行費(上限1万円)について、最大半額を補助する「リフレッシュプラン」や、県内の宿泊施設を利用した人に毎月抽選で現金10万円の賞金を贈る「宿泊得々キャンペーン」などを展開してきた。「これらの地道な取り組みが評価されたのかなと思う」と担当者は話す。
一方で、じゃらんの調査では「魅力的な宿泊施設が多かった」(13位)、「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」(24位)といった項目は評価が伸びておらず、「課題を分析しさらなる観光PRを図っていきたい」と担当者は話す。
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