インタビュー
「仕事を調整したのに部下の残業が減りません」 働き方を観察して見えた意外な事実:49歳男性の例から考える(2/5 ページ)
「これだけ仕事を減らしたのになんで残業時間が変わらないんだ?」――狐につままれたかのようにつぶやいたのは、4月に総務部長に就任した木根さん(仮名、49歳男性)です。就任後最初の課題として取り組んだのは、部下の町本さん(仮名、32歳男性)の残業時間の削減でした。就任後にいろいろと試みたものの、思ったほどの効果が上がらずお手上げ状態になってしまったそうです。
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固定残業は残業させ放題ではない
過去に、固定残業を導入した会社で「せっかく支払っているのだからその時間は残業してもらわないと困る」と平然と社員に話している社長がいました。こういう考え方の社長が一定数いることから“固定残業=ブラック”という印象を持つ方が多いのでしょう。
もっとひどい解釈になると、「固定残業を支払えば残業させ放題になる」とトンデモな解釈をする経営者も実際に存在します。どこでどう間違えたのかは知りませんが、固定残業制度をサブスクモデルと思い込んでしまっているのです。
この考え方で実際に運用すると労働基準法に抵触する恐れがあります。なぜなら、あらかじめ法定労働時間(1週40時間・1日8時間)を超えた労働契約を締結することはできないからです。あくまでも、一定の要件のもと残業が発生するのであって、常に残業をさせることが前提となった労働契約は違法となる可能性があるからです。
特にサブスクと勘違いしているケースは賃金の未払いが発生している可能性が高いので、より注意が必要です。そして、これは経営者だけではなく、労働者も勘違いしている、もしくは意図的に勘違いさせられているケースも存在します。
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