上司に言い出せない“爆弾” 悪い報告をするときの3つの心構え(3/4 ページ)
頼まれた仕事の進捗が生まれないとき、どうすればよいのか。上司に悪い報告をするにしても、どのように報告すべきなのでしょうか。人材企業の代表を務める著者のマネジメント経験をもとにお答えします。
社会人の基礎として「報告・連絡・相談」(ホウ・レン・ソウ)とよくセットで語られますが、まさに「連絡」と「相談」をうまく活用することが「報告」の助けになってくれます。
報告は、「今の状況はこうだ」という事後の情報共有を上司に対して一方的に行われる行為ですが、連絡と相談は伝達相手(上司)の関わりを生み出してくれる行為です。
特に大切なのは相談です。気軽に上司に対してコミュニケーションが取れる距離感でないと、ほとんどの仕事はうまく進みませんから、エラーが発生した際にいち早く上司に相談できる状況になっているかということは非常に重要です。
連絡は、例えば「こういう進め方で行こうと思っています」など事前にアナウンスする行為です。とりかかる前に事前のアナウンスを行うことで、「だったらこういうやり方のほうが良いよ」というアドバイスをもらえるきっかけにもなります。例えうまくいかなかったとしても、上司はあなたがどういう狙いをもって、どういうやり方で臨んでいたかを把握した上で相談に乗ってくれますし、自分がアドバイスをした手前、より協力的に話を聞いてくれるでしょう。
報告という行為だけにとらわれて、とにかく自力で結果を出して評価されたいと考えてしまうと、ほとんどの場合、孤独で厳しい状況に追い込まれてしまいます。連絡と相談をしながら取り組んだ結果として優れたパフォーマンスが出た場合は本人の評価にならないのでは……と考えてしまう方もいるかもしれませんが、一般にはそれによってマイナスの評価が与えられることはありません。むしろ、連絡、相談がないままブラックボックスになり、蓋を開けてみると思ったような進捗ではなく上司から雷が落ちる、となってしまう方が不幸です。ぜひ、連絡、相談を活用しながら報告をしやすい環境を作ってみてください。
報告するときの3つの心構え
最後に、報告するときに心構えとしてお伝えしたいポイントを3つご紹介します。大前提として、「報・連・相」のしやすい心理的安全性の高い環境を作ることは本人だけでなく、上司側にも必要なことではありますが、今回は部下の立場から心構えをお伝えします。
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