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上司に言い出せない“爆弾” 悪い報告をするときの3つの心構え(2/4 ページ)

頼まれた仕事の進捗が生まれないとき、どうすればよいのか。上司に悪い報告をするにしても、どのように報告すべきなのでしょうか。人材企業の代表を務める著者のマネジメント経験をもとにお答えします。

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 当時、私は西日本地域を束ねる営業部長でしたが、そのような状況でしたので頻繁にその事業所を個別訪問していました。そんな中、製造ラインのかなり上流工程で、不良製造の発生に気付いて報告してくれた従業員がいました。私は過去にも製造トラブルを経験してきていたので、その従業員に対して「よく見つけてくれた! 本当にありがとう!」と第一声でねぎらいました。その従業員が即座に悪い報告をしてくれたおかげで、早期に製造ラインを止め、不良品の大量製造という大きなトラブルを未然に防げたからです。

 従業員からすれば、事業所長・エリアマネージャーよりも上の立場の役職者で、かなりの距離感があったと思います。頻繁に請負現場に出入りして休憩時間に会話を交わす中で打ち解けられていたというのもありますが、チームリーダーとともに一目散に私に報告を上げてくれました。

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写真提供:ゲッティイメージズ

 たまたまその様子を見ていた顧客の担当者からは、怒られるどころか「角さん、分かっているね! 不良を見つけるなどの悪い報告をしてくれた人には、ものすごく褒めちぎってあげるべきだし、もっとそれを広めていくべきだよ」という言葉をいただきました。自分が引き起こしてしまったミスも、誰かが引き起こしてしまったミスも、悪い報告こそ、気付くことが皆のためになります。迅速に悪い報告をしてくれた場合は、叱責するよりも早く報告したことを称賛すべきなのです。その考え方を広めて浸透させていくことが大事なのだと気付かされました。

 それからはこの案件に限らず、不良品を発見してくれた従業員には朝礼などで表彰するようにルールを設け、文化として浸透させることで、悪い報告が上がりやすい環境づくりに取り組みました。悪い報告が上がらない組織はパフォーマンスも上がりづらくなるでしょう。

「報告」のために「連絡」「相談」をうまく使おう

 悪い報告をいち早く共有することの重要性をお伝えしてきましたが、どうすれば報告をしやすくなるのでしょうか。

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