丁寧な仕事をしても評価につながらない人の共通点:外資系1年目の教科書(2/4 ページ)
もう数十年前から言われ続けていることですが、「スピード感」は今の時代に不可欠です。ことビジネスの世界では、何事も「スピード感」、いかに早く着手するかが重要なのです。瞬発力という言葉に置き換えてもよいでしょう。
選択肢の幅を広げる柔軟性
スピード感を持つのと同等に大切なのが、柔軟性です。柔軟性とは、一言で言えば臨機応変に対応できる力です。ビジネスの世界はイレギュラーの連続です。仕事の内容が変わることもあるでしょう。また、組織が変わるなど働く環境(場所や人)も変化します。会社の方針が変わることもあるでしょう。急な仕事のリクエストが来ることもあるでしょう。
どのような状況においても、何かしら突発的なことや予想外なことが起きたときに、瞬時に柔軟に対応する力が求められます。このような状況下で、これまでのやり方や自分の考えに固執していては先に進むことができません。
例えば、外資系IT業界は、朝令暮改が当たり前の環境でした。朝にはプランAでいくと決まり、さぁ舵を切ろうとしていた矢先に、やっぱりプランAじゃなくてプランBでいく、ということも日常茶飯事でした。
また、CEOが変われば、その都度方針が変わります。合併や買収も頻繁に行われました。私は買収する側も経験しましたが、買収される側も4回経験しました。つまりこれまで積み上げてきたものが白紙に戻ったり、仕切り直しになったりすることは当たり前だったのです。まさにVUCAな環境です。このような環境の中で最も鍛えられたのは、柔軟性だと断言できます。
柔軟性を持つためのマインドは、成長マインドセットです。好奇心を持ってチャレンジする。「ピンチはチャンス」「これは成長の機会だ」「失敗はない、ただフィードバックがあるだけ」というように意味付けをするのです。
NLPの前提で、「必須多様性の法則」があります。これは、「最も柔軟な行動をとれる人やシステムが、システムをコントロールすることができる」というものです。うまくいかなかったら、別のことを試してみる。柔軟性があれば、可能性は無限に広がる、という考え方です。ここで言うシステムとは、相互に影響を及ぼし合うもの全てを指します。制度や体系、自分を取り巻く組織や人間関係など、環境全体も含みます。
つまり、柔軟性があれば、それだけ選択肢が広がり、工夫を加えて新しいやり方で問題解決に向かうこともできるのです。
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