円安なのに、ハワイの不動産が激売れしているワケ:現地を見ずに買う人も(3/5 ページ)
ハワイの不動産が売れに売れている――。取材した不動産会社の2021年の日本人のハワイ不動産取引件数は20年に比べて約2倍。円安が言われる現在でもその勢いは衰えていない。活況の背景を聞いた。
販売から2週間以内で決まるほどの人気ぶり
価格が高騰している点に加えて驚くのは、売却が決まるまでの期間。22年9月7日時点のホノルル不動産協会のWebサイトを見ると、2022年7月の場合、一戸建てで11日間、コンドミニアムで12日間で売れており、いずれも2週間以内。非常に流動性が高い。21年以前は1カ月くらいかかっていたそうだが、現在は非常に動きが早くなっていると青木氏。これは米国内でもハワイ人気が高まっている結果といえる。
「コロナ禍で米国でも日本同様、リモート可能なら環境の良い地域に居住しようという動きがあり、その行先としてハワイが選ばれるようになってきています。米国内でいえばハワイは離島で田舎。日本でいえば沖縄のような存在でしょうか。これまではニューヨークなど東海岸の大都市から郊外への移動では同じく東海岸のフロリダやカンクンといったリゾート地が選ばれることが多かったのですが、そこでハワイが選ばれるようになってきました。この間で上がったとはいえ、米国本土に比べるとハワイの不動産はまだまだ手頃。それも人気の要因のひとつです」(青木氏)
流動性の高さは地元でマーケットが確立されているという点が大きい。ハワイでは購入者全体のうちの7〜8割が米国人で、2割くらいが日本人。それ以外は韓国人、オーストラリア居住者。意外に日本人は少なく、市場は地元ニーズで支えられている。
海外への投資では東南アジアに目を向ける人もいるが、違いはこのあたり。東南アジアでは地元のニーズはあまり期待できず、売り先が限定される。それに比べ、ハワイでは地元を含め、広い層が対象になり、売りやすいのである。
関連記事
- アイドルの“聖地”「サンストリート亀戸」の跡地はどうなった?
かつて東京・亀戸にあった商業施設「サンストリート亀戸」をご存じだろうか。下積み時代のPerfumeがライブを行っていたことでも知られ、ファンの間では“聖地”の一つになっていた。その跡地には今何があるのかというと、新しい商業施設「カメイドクロック」だ。 - ビジネスホテルの“無料朝食”、気になる原価は一体いくら? 激化する“朝食合戦”から見るホテルの今
ホテルが朝食で特色を出そうとしていることは、宿泊者としてひしひしと感じる時がある。新たな施設の建設やリノベーションを施せば特色は強く打ち出せるが、コストはバカにならない。朝食は差別化のアイテムとして取り組みやすい部分なのだろう。 - 三菱地所が目指す「有楽町改造計画」の全貌 解体予定のビルに生まれた“謎空間”とは
20年前の東京・大手町、丸の内、有楽町を覚えているだろうか。午後3時にはシャッターが閉まり、週末はほぼ無人になる寂しいオフィス街だった。だが、この20年で街の風景は大きく変わり、道行く人の顔ぶれも多様に。社会の変化を追い風にして次の10年へ。これまでにない街を目指す大丸有の今を聞いた。 - スーパーで500ミリのコカ・コーラを見なくなった“なるほど”な理由
再値上げ、再々値上げが続く中、工夫をこらして単価を上げている企業も存在します。その一例が、日本コカ・コーラです。 - ワークマンの人気商品「真空ハイブリッドコンテナ」 担当者も予想外なアウトドア以外のニーズ
キャンプ用品の本格展開を開始したワークマン。その人気商品の1つが「真空ハイブリッドコンテナ 4.6リットル」(2500円)だ。少量のドリンクや食料を保冷したり保温したりすることができるアイテムでSNSなどで話題に。担当者によると、アウトドアシーン以外でも活用されているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.