ワークマンにしまむらも参入! アパレルはゴルフウェアで盛り返せるか:磯部孝のアパレル最前線(4/4 ページ)
コロナ禍をきっかけに盛り上がりを見せたアパレル市場は「ホームウェア」「キャンプウェア」「ゴルフウェア」の3つ。引き続き期待値が高いのはゴルフウェアだ。
個人の趣味嗜好が出やすい装備でプレイを楽しめる
基本的にゴルフはスポーツである。ランニングや卓球、テニスといった競技と同列だ。ただし、それらと大きく異なるのは、ウェアにおいて機能追及以外にファッション的な要素が影響していることが挙げられる。多くの球技と同様に、ゴルフは英国発祥の紳士的なスポーツとされる。日本国内でも名門と呼ばれるコースも点在し、その名門コースともなればドレスコードは高級ホテル並みに指定され、紳士のスポーツとも呼ばれるゆえんでもある。
個人競技であるが故に、ユニフォームのような集団協調性を表すウェアというよりも、個人の趣味嗜好が出やすい装備でプレイを楽しめ、ファッションとの親和性が高い点も特徴だろう。
ゴルフプレイと関係なくTPOが存在しているのもユニークで、本番ラウンド、練習ラウンド、素振りや、打ちっぱなしなどの個人レッスンと、ウェアの選定も幅広い。TPOが存在するスポーツだからドレスコードも生まれる訳で、ゴルフ場がビジネスパーソンの社交場のひとつに数えられてきたのもうなずける。
昨今のゴルフファッションの盛り上がりの側面には、こうしたゴルフ特有のファッションとの関わりが影響しているといえる。
著者プロフィール
磯部孝(いそべ たかし/ファッションビジネス・コンサルタント)
1967年生まれ。1988年広島会計学院卒業後、ベビー製造卸メーカー、国内アパレル会社にて衣料品の企画、生産、営業の実務を経験。
2003年ココベイ株式会社にて、大手流通チェーンや、ブランド、商社、大手アパレルメーカー向けにコンサルティングを手掛ける。
2009年上海進出を機に上海ココベイの業務と兼任、国内外に業務を広げた。(上海ココベイは現在は閉鎖)
2020年ココベイ株式会社の代表取締役社長に就任。現在は、講談社のWebマガジン『マネー現代』などで特集記事などを執筆。
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