今の会社で「ゆでガエル」にならないために―― 身に付けるべき“ポータブルスキル”:外資系1年目の教科書(1/3 ページ)
エンプロイアビリティのベースとなるのが、ポータブルスキル。エンプロイアビリティとは、EmployとAbilityを組み合わせた言葉で、一言で言えば「雇用される能力」のこと。
本記事は、書籍『外資系1年目の教科書(著・山口畝誉、総合法令出版)』の中から一部抜粋し、転載したものです。
エンプロイアビリティのベースとなるのが、ポータブルスキルです。エンプロイアビリティとは、Employ(雇用する)と Ability(能力)を組み合わせた言葉で、一言で言えば「雇用される能力」のことです。一般的には、ひとつの企業(特定の組織)で雇用され続けることと、さらに転職も含めて特定の組織に限らず組織の垣根を超えて雇用され続ける能力を意味します。
つまり、一般的には企業(組織)に雇われる能力という意味で使いますが、ここでは Self-employment(自営)も含めての雇用という意味で捉えてください。
これからのエンプロイアビリティは、従来のようにひとつの企業には限りません。ひとつの企業に所属しながら副業や兼業をしたり、自分で仕事を興したりすることもあるでしょう。つまり、エンプロイアビリティの維持向上のために、働く上で持ち運びができ、どこに行っても通用するスキル=ポータブルスキルという意味でここでは使わせていただきます。
『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳/東洋経済新報社)で警鐘が鳴らされたことが、今や現実となっています。超高齢化が進む日本においては、とりわけ老後資金や年金の問題を含め、さまざまな課題が浮き彫りになっています。
ひとつの企業で定年まで勤め上げて、その後は年金生活で悠々自適な暮らしをする、というシナリオは既に崩壊しつつあるのです。私たちの少し前の世代まではギリギリそれが可能でしたが、もはや絵に描いた餅。定年後に悠々自適な暮らしをしたいと願っても、年金の支給額は減少の一途をたどっているので、残念ながらできないのが現実です。また、多くの日本企業でも、年功序列に終身雇用といった従来の人事・雇用形態では耐えられなくなり、雇用システム全般の改革は待ったなしです。
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