今の会社で「ゆでガエル」にならないために―― 身に付けるべき“ポータブルスキル”:外資系1年目の教科書(2/3 ページ)
エンプロイアビリティのベースとなるのが、ポータブルスキル。エンプロイアビリティとは、EmployとAbilityを組み合わせた言葉で、一言で言えば「雇用される能力」のこと。
会社は自分が成長するためのプラットフォーム
人生100年時代になり、長い人生において、どのように生きるのか、自分のキャリアを主体的にどのように選択していくのかという、欧米ではいたって当たり前の考え方が日本でも求められています。働くことに関する価値観も大きく変わってきています。
そのため、転職をすることに対しても、以前に比べるとハードルが低くなってきているのをひしひしと感じます。テレビ広告でもさまざまな転職サイトのCMが流れています。ひと昔前までは想像がつかなかったことでしょう。
外資系企業では、転職はある意味当たり前という考え方です。会社は自分が成長するためのプラットフォームという捉え方をしています。そして、転職をすることは、ステップアップすること、成長すること、という認識です。転職は、ひとつのプロジェクトを終えて次のまた別の新しいプロジェクトに携わる、という感覚です。とりわけ外資系のIT業界では、転職はひとつの部署から他部署への異動ぐらいのイメージです。
さらに外資系では、明確なジョブ・ディスクリプション(職務記述書)があり、その職務に応じて賃金のグレードや幅があるため、大幅に給与を上げることを望むのであれば、希望の額を得られる他の会社にチャレンジする、ということになるわけです。そのため、社内のみならず社外に目を向けて、自分の市場価値がどのくらいあるのかを常に念頭に置くことになります。また、転職という企業に雇われる働き方ではなく、Self-employment、すなわち起業する、という選択をすることも自然な成り行きなのです。
私がアップルにいた頃、アップルの日本法人は250人ほど社員がいました。社員はほとんどが中途採用で、とても優秀でありながらユニークな方がそろっていました。また、とても自由なカルチャーで、当時は夜中まで、まるで遊ぶように仕事をしていました。ちなみに、私は入社当時管理職ではありませんでしたが、Exempt で残業代は付きませんでした。
補足すると、アメリカの雇用形態は Exempt と Non-Exempt に分かれています。Exempt は、日本語に訳すと「免除」という意味になります。Exempt の従業員は年俸制で、企業側は、残業代の支払いが免除されることになります。Exemptの従業員は与えられた役割をこなす能力を買われて採用され、時間を買われているわけではないからです。
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