インタビュー
高級食パンブームに陰り 乃が美が、“焦がし”というタブーに挑戦したワケ:構想9年、試作は100回以上(1/4 ページ)
高級食パンブームに陰りあり――。乃が美は、食パンにおいてタブーともいえる“焦がし”にあえて挑戦し、独自の「おこげ製法」を開発した。創業から9年の時を経ての商品化。その裏側に何があるのかを経営幹部に聞いた。
主食として毎日食べても飽きない食パンを通じて、「食文化の創造」の実現を目指す。高級食パンのリーディングカンパニーとして全国に約250店舗、台湾に1店舗を展開する乃が美ホールディングスは7月、『黒山乃が美』の販売を始めた。
独自に開発した「おこげ製法」により、香ばしさとうまみがある焦がしをつけた山型食パンだ。創業時から構想し、9年の時を経て商品化した。
乃が美では4月、それまで販売していた既存の「生」食パンを全て、創業当時の素材配合で作る『復刻「生」食パン』に切り替え、期間限定で販売した。すると、わずか1カ月で100万本を販売するなど好評を得た。そこで7月からは名称を『創業乃が美』に変更し、『黒山乃が美』とともにメインの商品として販売を展開している。
この時期に乃が美が新商品を展開する背景には、高級食パンブームに陰りが見えたことがある。ITmedia ビジネスオンラインは、乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長に、新たな取り組みと今後の戦略などについてインタビューした。前編では『黒山乃が美』開発の裏側を聞く。
100回以上の試行錯誤 実現した焦がし
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