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“技術大国”イスラエルから、日本企業が学べることはたくさんある:世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)
イノベーション国家・イスラエルの技術力を支えている政府機関「MAFAT」のベンチャーキャピタル責任者に先端技術などについて話を聞いた。同国から日本が学べることとは。
イスラエルといえば、国を挙げて先端技術の開発を進めているイノベーション国家として知られている。
例えば、USBメモリはイスラエルの企業が開発し、iPhoneの顔認証システム「Face ID」や、最近のiPhoneでは当たり前となった複数のカメラレンズを構成する技術も、イスラエルの企業から生まれた。
このほかに、インテル製のマイクロプロセッサーも多くはイスラエルで開発され、IP電話で知られる音声通話技術「VoIP」や、セキュリティシステムの「ファイアウォール」もイスラエル生まれだ。
私たちの日常生活に欠かせなくなった「LINE」などの無料メッセージングアプリも、最初に開発したのはイスラエルの企業だった。1996年にミラビリス社によって作られた「ICQ」がそれである。
こうしたイスラエル発の技術は枚挙にいとまがないが、テクノロジーを生み出すことに長けている同国の技術力を支えている政府機関に、「MAFAT(マファット=イスラエル国防省研究開発局)」がある。MAFATは、イスラエル国防省とイスラエル国防軍が共同で運営している機関であり、国防のために開発される技術を、デュアルユース(民間転用)してきた。
先日、MAFATのベンチャーキャピタル責任者が来日していたので、同機関の先端技術などを聞くために、会いに行った。そこから技術大国と言われてきた日本も何か学べることがあるだろうと思ったからだ。
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