“技術大国”イスラエルから、日本企業が学べることはたくさんある:世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)
イノベーション国家・イスラエルの技術力を支えている政府機関「MAFAT」のベンチャーキャピタル責任者に先端技術などについて話を聞いた。同国から日本が学べることとは。
「においのデジタル化」技術の開発も
こうした開発の中でも特に一風変わっているのが、「においのデジタル化」技術の開発だ。「Moodify」という企業が研究しているこの技術は、においの発生源である物質の表面から特定のにおいを感じさせる構造を特定。表面の構造を持つ物質を作成することで、特定の嗅覚を発生させるというものだ。
どんなにおいも作り出せるようで、ストレス軽減、不快感の緩和などの効果をもつにおいも生成できる。現在は、においをデジタル化して、いろいろな媒体に実装できるような「嗅覚のデジタル化」を目指している。
MAFATのベンチャーキャピタル責任者であるオシェア・シャピラ氏は、こうした先端技術に投資・提携してもらうことを目的に来日した。シンガポールに本社を置くプライベートエクイティ企業チャータードグループと手を組み、初めての試みとして、MAFATのデュアルユース(軍民両用)技術の開発支援を日本企業にも働きかける。
シャピラ氏は、「現時点でMAFATでは2000件近いプロジェクトが進んでいます。そのうちの半分は新しい研究です。常に新たな開発に乗り出しています」と語る。
「MAFATでは、ゲームチェンジャーとなるようなテクノロジーを開発しています。防衛技術が主ですが、多くがデュアルユースです。イスラエルはゼロからモノを作っていくことは得意ですが、日本企業はそこから大きく広げていくことができると信じています。それがイスラエルと日本の両方にとって有益になると考えています」(シャピラ氏)
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