新型クラウンの“仕上がり”はどうなのか、チェックした:池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/6 ページ)
新型クラウンが登場した。前編では「なぜ大変貌を遂げたのか」その理由などを紹介したが、後編では「仕上がり」を解説する。デザインやインテリアなどは……。
現行車の中からどれを選ぶ?
ただ、これはしっかり書いておかねばならないのだが、クラウン・クロスオーバーは、クラウンの商品立ち位置的に足りない部分はひとつもない。ちょっと突出していた15代目とさえ比べなければ、劣っているわけではないのだ。そこのニュアンスが難しい。
参考になるかどうかは分からないが、「池田よ、お前現行車の中からどれを選ぶ?」と問われたとき、クラウン・クロスオーバーはたぶん筆頭に上がる気がする。最近自転車を積めるクルマに引かれるのと、そもそもの自分の経済力の話をさておけば、かなり有力である。
ただ同時に、こっそりと15代目の中古価格も調べてそっ閉じしたのも付記しておく。デザインに目を瞑(つぶ)ればあの走りは贅沢(ぜいたく)だった。そしてそのぶんまだまだ高い。自転車が積めるクラウン・エステートが早く出てこないかなあ。でもあれがたぶん最後なんだよなあ。
筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミュニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、YouTubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。
関連記事
- 新型クラウンはなぜ大胆に変わったのか
新型クラウンの期待が高まっている。国産車のネームバリューとしてはトップグループだろうが、セダンは“オワコン”の扱われている。そうした中で、クラウンはなぜ変わったのか。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - なぜ「時速5キロの乗り物」をつくったのか 動かしてみて、分かってきたこと
時速5キロで走行する乗り物「iino(イイノ)」をご存じだろうか。関西電力100%子会社の「ゲキダンイイノ」が開発したところ、全国各地を「のろのろ」と動いているのだ。2月、神戸市の三宮で実証実験を行ったところ、どんなことが分かってきたのだろうか。 - 「水素エンジン」は本当に実用化するのか トヨタの本気が周りを動かし始めた
水素エンジンが急速に注目を浴びている。燃料電池による水素利用によって、水素エンジンの可能性を引き上げたわけだが、本当に実用化するのだろうか。 - セダンの再発明に挑むクラウン(1)
クルマの業界ではいま、クラウンの話題で持ちきりである。何でこんなにクラウンが注目されているのかだ。やっぱり一番デカいのは「ついにクラウンがセダンを止める」という点だろう。 - マツダの世界戦略車 CX-60全方位分析(1)
前回の予告通り、今回からはCX-60の詳細な解説に入っていく。まずはマツダはなぜラージプラットフォームを開発したのか。その狙いはどこにあるのかが最初のテーマである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.