「空気が読めない」社員が、ADHDだった──どうしたらいい? 発達障害・パーソナリティ障害・精神疾患の人への接し方:トラブルが起きた際には(3/7 ページ)
多様な人材が働く職場では、従業員の言動に頭を悩ませることもあります。知っておきたい「発達障害」「パーソナリティ障害」「精神疾患」の特性と対処法を紹介します。
【2】発達障害の人への対処法
発達障害の人は、タスク管理や時間管理がうまくできないといった特性があります。
脳の前頭前野の働きである「実行機能」がうまく働いていないことが原因と考えられています。実行機能とは、目標を設定し、やり遂げるという目的達成のための一連の機能のことです。段取りよく計画するのが苦手で、優先順位がつけられない、時間内にやり遂げられないといった特性は、本人の努力不足のせいではないのです。
指示は具体的、簡潔に。補助的にメールやマニュアルで伝えると理解しやすいと思われます。
話の要点がつかめないなど、苦手なポイントを理解し、それに合わせたサポートが必要です。
タスク管理では、タスクマネジメントの手法をおすすめします。仕事の見通しと締切を伝え、都度、進捗を確認。作業内容は、工程を区切り、作業順にファイリングするなど、視覚的に分かりやすい配慮があると、より丁寧です。
また、ASDやADHDの人は疲れやすく、睡眠障害のあることが多いです。そのため、日中、眠気が出てしまう、ぼんやりしてしまう傾向があります。本人と相談し、小まめに休憩を挟む習慣をつけて、集中力を維持してもらう工夫も必要です(表2)。
パーソナリティ障害の特性と対処法
パーソナリティとは、生まれ持った気質に、文化や環境、しつけの影響を受けて形成された「ものの見方・捉え方」「反応の仕方」「人との関わり方」のクセや偏りのことです。誰しも多少の偏りはありますが、パーソナリティ障害は、個性の範囲を超えた性格の偏りによって、人間関係でトラブルを招きやすくなります。
そうした性格の偏りは、環境的な要因によって抑えられたり、年齢を重ねることで穏やかになっていくと考えられています。また、難治性の精神疾患の背景にパーソナリティ障害を抱えているケースもあります。
パーソナリティ障害には、10種類が存在し、3つのグループに分類できるとされています(表3)。ここでは、A群とB群から1例ずつ取り上げます。
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