「空気が読めない」社員が、ADHDだった──どうしたらいい? 発達障害・パーソナリティ障害・精神疾患の人への接し方:トラブルが起きた際には(5/7 ページ)
多様な人材が働く職場では、従業員の言動に頭を悩ませることもあります。知っておきたい「発達障害」「パーソナリティ障害」「精神疾患」の特性と対処法を紹介します。
【2】自己愛性パーソナリティ(B:演技的・移り気な群)
【事例】プライドの高い従業員
自信に満ちあふれ、社交的で仕事もできる従業員。目上の人に取り入るのがうまく、後輩にも慕われています。
一方で、特定の後輩に対する態度が高圧的なのが気になります。目上の人がいない所では「何で俺を怒らせるんだ」と怒鳴っていたという目撃談も。その後輩がうつ病で1カ月休職することになりました。実は彼がリーダーになってからこれで3人目の休職です。
(1)自己愛性パーソナリティの特性
成功は自分の力、失敗は他人のせいにする傾向があります。
プレゼン能力が高いので、上司は有能な部下と思っていることもあります。
理解する鍵は、「特権意識」と「恥」。周囲の人々を下に見て、優劣で自分の立ち位置を確認しています。脆い自尊心を称賛してもらうことで補填し、自尊心を傷つけるものや自分にとって都合の悪いものを吐き出す相手を求めています。ハラスメントやDVの加害者に多いタイプです。
条件付きの愛で育てられた家族病理によるトラウマを抱えている場合があります。ありのままを共感され、愛された経験がない人は、見返りのない思いやりに触れ、愛し、愛される経験があると次第に落ち着いてきます。
(2)自己愛性パーソナリティの人への対処法
自慢話が多いですが、正面から向き合わないことです。落ち着いて接し、張り合わないけれども、譲らないところは譲らないといったしなやかさが必要です。
常に上か下かで判断し、他人から評価されるのが許せません。「過剰なお世辞」は嫉妬の裏返しのため、鵜呑みにせず、のらりくらりとかわしましょう。
理不尽な悪口・叱責があった場合は、上位者に相談しましょう。本人は評価を気にすることが多いので、上司や人事担当者などが見ていることが抑止力となります。
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