「空気が読めない」社員が、ADHDだった──どうしたらいい? 発達障害・パーソナリティ障害・精神疾患の人への接し方:トラブルが起きた際には(6/7 ページ)
多様な人材が働く職場では、従業員の言動に頭を悩ませることもあります。知っておきたい「発達障害」「パーソナリティ障害」「精神疾患」の特性と対処法を紹介します。
精神疾患の特性と対処法
会社でよく出会うのは、「気分障害(うつ病、双極性障害)」「ストレス障害(適応障害、PTSD)」ではないでしょうか。
ここでは、気分障害について取り上げます。
【1】うつ病
(1)うつ病の特性
うつ病は、約100人に6人の人がかかるとされています。気分が強く落ち込み、意欲の低下、不安や焦り、イライラといった症状のほか、食欲不振、不眠、疲れやすい、頭や身体が重いといった身体的な症状がある精神疾患です。
仕事中、頭が働かずにぼんやりとします。帰宅後もテレビや新聞の内容が頭に入ってこず、何をしても気分が晴れません。眠れない、疲れがとれない、体がなまりのように重い状態が続きます。それでも無理して会社に行こうとして、通勤途中、衝動的に自死を選ぶケースもあります。早期に治療をしないと回復が遅れたり、重症化したりする可能性があります。
【事例】 元気がなく忘れっぽい従業員
元気がない従業員がいます。仕事中もぼんやりしていて、忘れっぽく、ミスが増えています。話を聞いたところ、家でも何事にも集中できず、「好きなテレビや小説の内容が頭に入らなくなっています」とのこと。つらそうですが、会社には来ています。
(2)うつ病の人への対処法と予防
うつ病が疑われる場合、早めに受診を促し、しっかりと療養してもらうことが大切です。軽いうつ症状であれば、少し無理をしても散歩をしたり、図書館に出かけたりするほうが気分の安定につながることもあります。一方、重いうつ症状のときは、無理して外出させると悪化することもあります。
早期対処が大切です。傾向として、孤立感、居場所のない殺伐とした環境で頑張り過ぎると、うつスイッチが入りやすくなります。特にそうした環境で働く従業員へは、定期的に予防啓発を行い、相談しやすい職場づくりを心掛けましょう。
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