2015年7月27日以前の記事
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今は円安なのに、なぜ「円高時に儲かること」をするのか? トヨタ決算書に見る、為替変動の影響妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(6/6 ページ)

最近は円安が大きく進んでいて、ドル円は150円を超え、為替介入があったりと非常に大きな話題となっています。今回は為替の変動が、企業の業績にどのような影響を与えていくのかを、グローバル企業であるトヨタ自動車(以下、トヨタ)の決算を具体例にしてみていきましょう。

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 では包括利益が大幅に増加した要因が何なのかというと、それは「在外活動体の為替換算差額」という項目が、前期は789億円だったのに対し今期は9181億円と、大幅に増加していることです。

 この「在外活動体の為替換算差額」とは何でしょうか? ここにも会計的な知識が必要になるので、正確ではありませんが、おおよその意味の理解を優先して説明すると「海外子会社の資産も、円ベースで考えたら値上がりしていますね」というものです。

 例えば、海外子会社が持っている工場や機械も、円安が進むと円換算した際には値上がりします。こうした影響を表すものです。

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画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

 海外子会社を多数抱えるトヨタは海外資産も多く、大きく円安が進む中で円ベースで見た際の資産価値が大きく増えています。海外子会社を多く抱えるグローバル企業では、この包括利益へ与える影響が非常に大きくなります。

 今回は、決算書に為替が与える影響について見てきました。次回は、レオパレスの決算書を例に引当金について考えます。

筆者プロフィール:妄想する決算

決算は現場にある1次情報とメディアで出てくる2次情報の中間1.5次情報です。周りと違った現場により近い情報が得られる経済ニュースでもあります。上場企業に詳しくなりながら、決算書も読めるようになっていく連載です。

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