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レオパレス21「赤字686億から復活」の大きな誤解 施工不備問題が残した“傷跡”と未だ苦しい実態妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(5/6 ページ)

レオパレス21は施工不備発覚が社長の引責辞任にまで発展するなど、大きな問題となりました。この影響で一時は巨額の赤字を抱えましたが、22年3月期には黒字に転じたため、現在は回復途上にある──この見方は、決算書に表れる「ある項目」を知ると、ガラリと変わります。

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 あらためて確認すると、引当金は将来の見通しで計上されています。見通しに依拠しているということは、当たり前ですが外れた際には、利益の額にも影響を与えます。なお、見通しは大抵のケースでは一定、外れてしまうものです。

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2019年3月期決算短信より

 実際の決算書を見てみると「補修関連損失引当金戻入額」という特別利益が、21年3月期は153.7億円、22年3月期は119.6億円と非常に多額になっています。これこそ、見通しが外れたことによる影響であり、「見通しが外れて想定より必要なお金が少なくなったからその分を利益にした」ものです。

 22年3月期の純利益が118.5億円だった事を考えると、この特別利益なしで黒字化できていたかは分かりません。

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