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「私の強みは〇〇です」は誤差の範囲でしかない 社会人が知るべき、強みの本質とは:「強み」は誰が決める?(2/3 ページ)
就職活動や転職活動をする上で避けては通れないのが、自分自身の「強み」をアピールすることだが、うまく強みを見つけられない、ライバルとどう差別化すればいいのか分からない、といったことで悩む人も多い。そもそも「強み」とは何か、企業から選ばれる「強み」とはどういうものなのか。人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに聞く。
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同じ仕事をしていると、同じ強みになってしまう
――強みは他にどんな特徴がありますか?
松本: 同じ仕事をしていると、違う会社で働いていたとしても、誰でも同じような強みになってしまう傾向があります。例えば、営業職の強みでは「コミュニケーション能力が高い」「ノルマなど数字目標への達成意識がある」などがよくあげられるでしょうが、これらはどの会社でも、どんな商材を扱っていてもほぼ共通で出てくる強みです。
このように、同じ仕事からは同じような強みしか生まれません。その強みのちょっとした違いを一生懸命アピールしても、受け取る側からすれば誤差の範囲、時には誤差にもなっていないのです。その誤差の範囲の中で、みんなが同じようなことを強みとしてアピールしていると、だんだん「これは本当に自分の強みなのか?」と分からなくなっていきます。
また、同じような強みは自分以上のライバルが現れるとたちまち価値を失います。同じ「足が速い」というカテゴリーでも、県大会1位とオリンピック金メダルで比較すればより評価が高いのはオリンピック金メダルです。同じような仕事内容で強みをアピールしても、その範囲の中でさらに高いレベルのライバルがいればそちらが採用されます。
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