健全化に向かうツイッターを”混乱させている”のは誰か?:世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
ツイッターが大混乱に陥っているように見えるが、本当にそうだろうか? ツイッターの騒動の実態と、これからツイッターがどう展開していくのかを見ていこう。
米国では保守VSリベラルの戦場に
米国でツイッターは、保守VSリベラルの争いの「戦場」になってきた。もともとツイッターのあり方は近年、「表現の自由」と「ポリティカルコレクトネス」の争いで語られてきたからだ。表現の自由を求める保守勢と、ポリティカルコレクトネスを求めるリベラル勢とが、ツイッターを巡って揉めてきた。その中心にいたのが、ドナルド・トランプ前大統領であった。
結局、トランプ側の保守勢力が押され、ツイッター上での動きを封じ込まれることになった。リベラル勢からの強いプレッシャーと批判が続き、トランプ自身のアカウントは永久凍結され、事実関係が怪しめの保守派のツイートにも注意書きがつけられるようになった。そうなると、保守勢は「リベラル左派勢力が、ツイッターから表現の自由を奪っている」と主張するようになり、Twitterを敵視し、保守派のためのSNSである「パーラー」や「Truth Social」といったアプリを使うようになった。
そこに現れたのがマスク氏である。マスク氏は、「表現の自由」に重きを置くと宣言していて、これまでアカウントを凍結されたトランプのような人たちを復活させる可能性も語られている。早くも米国では、保守層がマスク氏の動きを歓迎しているが、リベラル勢はマスク氏の動きを厳しく批判している。
一応、マスク氏は社内に委員会を作って、コンテンツの制限管理をしていくと述べているものの、暴言をツイートしてきたトランプのアカウントが復活するとも噂される。
こうした政治的・イデオロギー的な争いが、今回の買収後の企業内の変化を大袈裟に吹聴し、大騒動にしているのである。
関連記事
- 定年退職後に嘱託社員として再雇用 賃金50%カットの妥当性は?
少子高齢化に伴い、高齢者活躍の土壌を整える必要性に迫られる日本。定年は60歳が一般的だが、65歳までの雇用維持、70歳までの就業機会の確保が努力義務となっている。定年退職後に嘱託社員として復帰した社員への賃金設定はいくらが妥当なのか? 社会保険労務士が解説。 - 「もはや学生が憧れる企業ではない」 NTT東日本の危機感が生んだ”実務型インターン”
NTT東日本は採用に対して「学生の憧れの企業から年々離れていっている」という危機感を抱いていた。そこで新卒採用に関わる重要な要素であるインターンの変革に乗り出した。 - 「就業中の間食はNG」 カインズの昭和体質を180度変えた人事戦略「DIY HR」
ホームセンターのリーディングカンパニーとして業界で名高いカインズだが、「店舗の従業員に許されていないことは本社でも行わない」という古いカルチャーが暗黙の了解として浸透していた。CHROの西田氏は、そんな古い体質を塗り替えていくために新たに「DIY HR」を掲げた。 - 「部下に退職代行を使われた」 無理やり本人を出勤させることはできるのか?
退職の申し出をする際に退職代行サービスを利用する人が増えてきたという意見を耳にする。退職代行会社から連絡が来ても本人を出勤させることはできる? 引き継ぎはどうすべき? などの疑問を社労士が解説。 - サイバー、初任給42万円 “残業80時間”は法的に問題ないのか?
サイバーエージェントが2023年春の新卒入社の初任給を42万円に引き上げると日本経済新聞が報じ、話題を集めた。そこには80時間分の固定残業代があらかじめ含まれているとのことだが、法的に問題はないのだろうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.