社内で行き詰まったDXは「ダイエット」になぞらえるとうまくいく:DXの本当の進め方(後編)(2/7 ページ)
日本企業のDX成功率は約10%だという。社内でDXの議論が進まないのはなぜか? DXを推進するための方法を「ダイエット」を例に挙げて解説する。
ダイエット、何から始める?
ダイエットを始めた人に動機を尋ねると、「適正な体重に戻したい」「着たい服がある」「人からよく見られたい」などの回答が返ってくるだろう。DXとの共通点としては「自らをあるべき姿に変えたい」「自社をあるべき姿に変えたい」という点と言える。
ただし、個人の意思ひとつで定められるダイエットの動機とは異なり、法人の意思というのはなかなかひとつにまとめづらい。「自社は何のためにDXに着手するべきなのか」という問いには、特に経営陣がしっかりと時間を取って話し合い、自らの言葉で答えるべきである。
何から始めるか?
「ダイエットするぞ!」と意気込んで、関連する書籍を買いあさり、ちょっと高価なトレーニング器具を買って、食事療法のためのサプリや健康食品もそろえ、おしゃれなトレーニングウエアも準備した。
さて、読者の皆さまが思うに、この人のダイエットに成功の兆しが見えるだろうか。絶対に失敗するとまでは断言できなくても、われわれは経験的にこのやり方の成功率が高くないことを知っている。
それよりも「とりあえずウオーキングを始めた」「間食をやめてみた」「体重計に毎日乗ることにした」といったような、すぐできそうなことからちょっとずつ始めてみることの方が理にかなっていると感じられないだろうか。
企業におけるDXにも同様のことが言える。できそうなところから手を付けて、小さい成果を感じながら次につなげる「クイックウィン」型のアプローチは、DXのような長期間にわたる変革の初期には非常に有効であると筆者は考える。
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