コラム
社内で行き詰まったDXは「ダイエット」になぞらえるとうまくいく:DXの本当の進め方(後編)(4/7 ページ)
日本企業のDX成功率は約10%だという。社内でDXの議論が進まないのはなぜか? DXを推進するための方法を「ダイエット」を例に挙げて解説する。
ダイエットで考えるDXの「成功」の定義
「DXは個人レベルでのダイエットのようなものである」と理解していただいた前提で、一つ読者の皆さまに考えていただきたいことがある。「DXの成功とは何か」という問いについてだ。
前編でもDXが進まない理由の一つとして「成功の定義ができていない」ことを挙げたが、DXの本当の進め方・アプローチを考える前に、どの状態を目指すべきかを今一度考察してみよう。
DXに終わりはない
「ダイエットを始め、3カ月で体重を5キログラム落とした」という例を考えてみよう。このダイエットは成功しているだろうか。もし目標が5キロの減量であれば見事成功だ。
ただし、目標数値がもっと高かったり、そもそも「痩せることで自分に自信を持ちたい」といった変革の目標を掲げたりしているのであれば、達成しているかどうかは判断しにくいところだ。さらに言えば、次の3カ月で油断して体重が元通りになってしまった、というようなことがあれば失敗したと見ることもできるだろう。
この例から「ある地点における単純な目標の達成度で成功度合いを語っても意味がない」と分かるだろう。仮に成功もしくは失敗と呼べる瞬間があったとしても、その後の展開で逆の結果になり得る。この種の変革には終わりがなく、理想を追い続ければある意味いつまでも成功しないし、諦めなければ失敗もしないのだ。DXは果てしない取り組みなのである。
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