優秀な人を「会社に合わない」と不採用 “ざんねんな中途採用”から脱却する方法:採用競争時代を勝ち抜く(2/3 ページ)
変化の多い時代を乗り切ろうと「これまで自社では採ってこなかった職種やタイプの人」を採用したくても、「当社には合わない」「判断基準がない」として見送りになってしまうケースもあるようです。
また「どのようなシチュエーションにおける」×「どのようなコミュニケーション」を評価するのか、方向付ける必要があります。例えば、一般に「コミュニケーション能力が高い人」といって想起されるタイプと、実際に現場が求める「コミュニケーション能力が高い人」のペルソナが異なる場合、現場と面接官などの間で齟齬(そご)が生じかねません。細かい粒度のペルソナ設計を、採用担当者のみならず選考フローに関わる全ての人が統一した認識で理解することが大切です。
特に社内にロールモデルとなる人がいる場合は、スキルや性格、特性のみならず、キャリア観や会社に対する貢献意欲、価値観、行動パターンなど定性的な特徴を洗い出し、関係者全員が知る実在の人物を例として挙げることが良いと考えます。
しかし、もしそのような人物が社内に存在せず、会社として初めて採用するポジションの場合は、社外の人をペルソナとしましょう。
ペルソナを細かく設計しターゲットを絞ると、スピードが落ちたり、面談できる人数が減ったりという懸念がありますが、一つ一つの質を高めていけば、工数が減り効率が上がるため全体のスピードは落ちないケースが多いです。
設定したターゲット・ペルソナをどのように選考フローに乗せるのか
ターゲットやペルソナを設計し、各採用チャネルへアプローチをした後に発生するのが選考プロセスです。新しい職種・人材の採用以外にも当てはまりますが、いまや採用活動は企業だけが候補者を選ぶのではなく、企業も選ばれる側となります。
昔からある「書類選考→2〜3回面接→オファー面談」という流れを形式的にこなすのでは、有力な候補者を口説けません。そして景気の先行きが不透明な昨今ですので「転職活動をしたものの現職に残留する」という選択を取る候補者も増えてきています。このような状況を十分に念頭に置いた上で選考プロセスを設計する必要があります。それでは選考のプロセス設計について取り組むべき点を考えていきましょう。
(1)面接官トレーニングを実施する
面接官となる多くの方が「自分が受けた面接を、管理職となってもそのまま踏襲している」ケースがよくあります。つまり、実は体系化されていない面接を、そのまま実施してしまっているのです。
ペルソナ設計を広報・マーケティング活動と比喩するならば、面接は営業活動に近いものがあります。自社という商品を売り、理解をしてもらい、そして合致性を確かめる際に属人化が進むと面接官によって評価が変わり、候補者の取りこぼしが発生する要因となります。
そこで、面接プロセスに関わる対象者を集め、面接のロールプレイングを行いましょう。その際、設計したペルソナに合わせたキークエスチョン(=最も大事な、合否を左右する質問)を設定しましょう。ある程度体系化した面接を各人が実施することで、同じ言葉を同じ温度感で伝達していくことが可能となり面接の引き継ぎがスムーズになります。
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