日本製車両採用の「ドーハメトロ」、サッカーW杯観客輸送で活躍中 記者が乗ってみた:三菱重工や日立が受注(2/3 ページ)
サッカーW杯を開催中のカタールで日本企業が受注した、日本製の鉄道車両がW杯の観客輸送で活躍している。現地滞在中の記者が実際に乗車した感想もレポートする。
3路線32駅で開業 3年で利用者数5000万人突破
ドーハメトロは19年5月、「レッドライン」「グリーンライン」「ゴールドライン」の3路線32駅で開業。総延長約86キロメートルのうち、52キロメートルは地下区間で、14年4月開港の新ドーハ国際空港や市内主要部を結ぶ。開業に合わせて、近畿車輛は225両の鉄道車両を納入した。
その後、延伸され、現在は計37駅で運行。延伸で近畿車輛は105両を追加納入した。22年3月には利用者数が5000万人を突破し、ドーハ市民の足として活躍している。26年には計画中の「ブルーライン」を含めた4路線211キロメートルが全線開業予定だ。
観戦者の運賃無料 W杯開催中は深夜3時まで運行
W杯の試合を開催する全8会場のうち5会場(ハリーファ国際スタジアム、スタジアム974、エデュケーションシティースタジアム、ルサイルスタジアム、アフメド・ビン・アリ・スタジアム)は、メトロの駅から徒歩でスタジアムにアクセスできる(残りの3会場は各駅からシャトルバスが運行中)。
通常時は土曜日から木曜日までが午前6時から午後11時、金曜日が午後2時から午後11時まで営業する。料金はスタンダードが2カタールリヤル(1リヤル=40円換算で約80円)、新幹線のグリーン車に相当する「ゴールド」が10リヤル(約400円)だ。ゴールドでは、他の座席よりもクッション性に優れた座席を提供している。
W杯開催期間中は午前6時から午前3時(金曜日のみ午前9時から運行)までの特別ダイヤで営業する。午後10時(現地時間)キックオフの試合もあるためだ。全観戦者の携帯が義務付けられている身分証明のIDカード「ハヤカード」を駅員に提示すれば、料金は無料。スマホアプリ版のハヤカードでも代用できるようにしている。
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