リモートか、出社か――人も組織も“持続可能”なこれからの働き方とは?:リモートワーク総論(3/4 ページ)
総務省によると、日本の全企業の51.9%が何らかの形でリモートワークを導入しています。長らくみんなで同じ場所で働いてきた私たちに、リモートワークはどうやって浸透していったのでしょうか。どのような環境に変わっていったのでしょうか。
「ハイブリッドワーク」という働き方
さらに、リモートワークはPC常時ONで業務時間が不明、隠れ残業があるなど労働時間把握に問題が残ります。どこまでいってもリモートワーク時の時間管理は個人の自立が必要な部分であり、システム構築だけでは解決できません。ただし放置すると勤怠の乱れや体調不良に直結するため、抑止として「〇時以降はアクセスできない」というような形で制御をかけている会社も多くあります。
こういったデメリットを踏まえ、フルリモートでなくある程度出社し、環境的にも会社に所属していることを体感し、物理的にも出社退社というステップで仕事とプライベート切り分けて問題を解決していく「ハイブリッドワーク」を選択する会社が多くなっています。
ハイブリットワークとは、リモートワークと出社を必要に応じで組み合わせ、より柔軟に働く方法です。例えば、「週〇日は出社」と決めて残りの日はリモートワークという場合や、基本はリモートワークで「このミーティングの時は出社」など案件ごとに分ける場合もあるでしょう。
この働き方の導入で、例えば作業日はリモートワーク、評価面談の日は出社、というように内容にあった働き方を選択することで生産性が向上するでしょう。
リモートワークは自身で仕事に折り合いをつけていくため、高度な自立と抽象度の高い視点が求められます。集中して一定の成果を個人のジョブで出していくには最適です。
対し、出社日にはコミュニケーションで生まれるアイデアや身体全体で受け取る感覚に負荷がかかり、広い視野で仕事をすることができます。その結果、従業員側には所属している安心感や一体感も生まれるでしょう。また、管理者側からしても、どうしてもWeb画面上ではとらえきれない口数の少なさや、目の動きなどの機微に即時に対応できるきっかけにもなり得ます。
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