ローソンストア100、今年が「最後の100円おせち」か!? 100円を維持できた物流改革とは:高級路線からシフト(1/5 ページ)
もしかすると今年で「100円おせち」が消えるかもしれない。今年もローソンストア100は、毎年恒例の「100円おせち」を発売する。各社が値上げを続ける中、同社はいかにして価格を維持できたのか。その答えは物流にあった。
ローソンストア100は12月25日、毎年恒例の「100円おせち」を発売する。先行して12月10日には、店頭で受け取る人向けにローソンアプリで予約を受け付ける(15点セットのみ、1800円)。
12月15日からは近くにローソンストア100の店舗がないなどの理由から、自宅配送を希望する人向けにネットショップ「STORES」でも予約受付を開始する(こちらも15点セットのみ、3200円)。
お一人様、新型コロナで売り上げ増
おせち料理にはもともと、正月は多くの店が休んでいて食材を買えなくなることからできた保存食という意味合いがある。一家が一堂に会して食事をすることから、不足しないようにたくさん作るというのが元々のコンセプトなのだ。
しかし、社会構造が変化して核家族化が進んでいる。お一人様需要が高くなるなどライフスタイルも多様化した。ローソンストア100はそこに商機を見いだし、2012年に「100円おせち」の販売を始めた。
厚生労働省が発表した「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、総世帯数5178万5000世帯のうち単独世帯は全世帯の28.8%にあたる1471万8000世帯となっていて、社会構造が明らかに変化している。
1人暮らしの人が多品種のおせち料理を作るのはハードルが高い。そこで、好きなものを必要な分だけ買えることが反響を呼び、21年は過去最高の300万食(40種類)を販売。累計1200万食に達した。
ローソンストア100の商品本部の近藤正巳副本部長によれば、今年度も前年度と同じ300万食の販売を見込んでいるという。
「今回は、外出をする人が前年より増えると思います。その一方で、おせちはみんなで集まって食べるものですし、若い人に楽しんでもらいたい狙いがあります。盛り付け方の提案やリメイクおせちは、おせち料理を楽しんでもらいたいという1つのメッセージでもあるのです」
外出する人が増えたとしても、若い人の需要を喚起することによって300万食を維持できる考えだ。
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