ローソンストア100の「100円おせち」 高級食材「味付けあわび」も100円に抑えられる驚愕の理由:累計販売数は900万食(1/4 ページ)
ローソンストア100は12月25日から毎年恒例の「100円おせち」を販売する。高級食材「味付けあわび」も100円に抑えられる驚愕の理由を販売戦略の担当者に聞いた。
ローソンストア100は12月25日から毎年恒例の「100円おせち」を販売する。12月15日には、ECサイト販売専用で限定100セット分の10品おせち料理が入った詰め合わせ「おせち10品スタンダードセット」(1500円)を売り出したものの、「即日完売(広報)」したという。
さらに、12月26日からはUber Eats導入店で10種類のおせちと重箱、祝箸がはいった「Uber Eatsセット」(2000円)を各店30個限定で用意する。販売戦略の裏側を担当者に聞いた。
新型コロナで「お一人様」の売り上げ増
「100円おせち」の販売を始めたのは2012年にさかのぼる。背景には、おせち料理は作るより買ったほうが楽で経済的であるという理由や、核家族化が進み親族が一堂に会することが昔より減った事情、お一人様需要の増加など、ライフスタイルの変化がある。
ビッグデータとAIを駆使してサービスを展開するatta(東京都港区)が10月30、31日に20〜59歳、1054人を対象に「年末年始に関する意識調査」を実施したところ、年末年始の過ごし方(複数回答)の質問に対し「自宅で過ごす」が64.7%、「実家に帰省する」が23.2%、「仕事をする」が11.2%と、圧倒的に自宅で過ごす人が多いことが明らかになった。
厚生労働省が発表した「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、総世帯数5178万5000世帯のうち単独世帯は全世帯の28.8%にあたる1471万8000世帯となっていて、社会構造が明らかに変化していることが分かる。
21年で10年目を迎えた100円おせち。定着した理由は、必要な分だけ、好きな分だけ買えることが大きい。15年以降の売り上げは右肩上がりで、20年は新型コロナウイルスの感染拡大で帰省の自粛といった巣ごもり需要から過去最高の230万食(38種類)を販売した。累計でも900万食を突破している。
新型コロナ2年目を迎えた21年度は、前年比130%増、過去最高の300万食の販売を見込んでいる。単純計算で3億2400万円の売り上げだ。
客単価について同社商品本部商品開発グループ生鮮・デイリー部の森雅之シニアマーチャンアドバイザーは「実は発売初日の12月25日に全体の半分が売れてしまうのですが、客単価は1000円くらいですね」と話す。これが「おせち10品スタンダードセット」の販売につながった。また、商品全種類をコンプリートしたいということで、販売初日の開店早々に来店する人もいるという。
オミクロン株の影響がどの程度出るかはまだはっきりしない。売り上げの上方修正はあり得るかと問うと、「それは見込んでいる」と、巣ごもり需要が拡大する可能性があるとの考えを示した。
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