連載
やはり「CX-60」の乗り心地は“硬い”のか これがマツダの生きる道:高根英幸 「クルマのミライ」(3/6 ページ)
2022年、マツダの「CX-60」が話題になった。発売前から注文が想定以上に入ったわけだが、乗り心地について疑問の声がたくさん出ていた。やはり、CX-60は改善が必要なのだろうか。
1万キロを走行して、CX-60はどう変わったのか
一般道を少し走ってすぐに首都高速に乗った。その途端、格段にスムーズさを感じさせるリアサスペンションにまず驚かされた。ストロークは豊かになり、その収束も良く落ち着いた乗り味になっている。
1万キロ走行したCX-60のジョイント通過による車体への入力ぶり。明らかに収束が早くなった。こちらは首都高速なので、同じ路面状況ではないが、最初の入力が大きいにもかかわらず、1回のストロークで格段に衝撃を吸収している
首都高速は、制限速度が一般道並みに抑えられている(湾岸など時速80キロの区間もあるが)が、そのぶんジャンクションでは小さなカーブがあり、ハンドリングを確かめるにも絶好のエリアとなる。そこで体感したのは、箱根で感じた以上のハンドリング性能だった。
回り込むようなコーナーでもロールをほとんど感じさせずに曲がるのだ! 初期の応答性が良いだけでなく、そこからの舵(かじ)の切り足しにも車体はグラグラとロールすることなく、グイグイとコーナーの内側に向かう。体に伝わる横Gはかなりのもので、これがSUVのコーナリングか? と思うほど、高い旋回能力を見せつけたのである。
そうしているうちに、サスペンションの動き以外にも気を配る余裕が出てくる。するとシートのホールド感が独特なことにも気付かされた。骨盤を支えるという考えからなのだろう、座っていると腰回りをサポートしてくれるのだが、それが乗用車的というより、まるでバケットシートのクルマに乗っているような感触なのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
トヨタは日本を諦めつつある 豊田章男社長のメッセージ
日本の自動車業界は今後どうなるのか。タイトヨタの設立60周年記念式典、およびトヨタとCPグループとの提携に関する発表から、未来を展望する。
なぜSUVは売れているのか 「しばらく人気が続く」これだけの理由
街中でSUVをよく見かけるようになった。各社からさまざまなクルマが登場しているが、なぜ人気を集めているのだろうか。EV全盛時代になっても、SUV人気は続くのだろうか。
なぜプリウスは“大変身”したのか トヨタが狙う世界市場での逆転策
トヨタが新型プリウスを発表した。発売はまだ先なので、車両の詳細なスペックなどは分からないものの、その変貌ぶりが話題になっている。それにしても、なぜトヨタはこのタイミングで発表したのか。背景にあるのは……。
マツダCX-60は3.3Lもあるのに、なぜ驚異の燃費を叩き出すのか
マツダCX-60の販売状況が、なかなか好調のようだ。人気が高いのはディーゼルのマイルドハイブリッドと純ディーゼルで、どちらも3.3Lの直列6気筒エンジンを搭載している。それにしても、3.3Lもあるのに、なぜ燃費がよいのだろうか。
なぜ「時速5キロの乗り物」をつくったのか 動かしてみて、分かってきたこと
時速5キロで走行する乗り物「iino(イイノ)」をご存じだろうか。関西電力100%子会社の「ゲキダンイイノ」が開発したところ、全国各地を「のろのろ」と動いているのだ。2月、神戸市の三宮で実証実験を行ったところ、どんなことが分かってきたのだろうか。
なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。
