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海外大手が資金力で競争 動画サービス戦国時代、日本発「U-NEXT」が戦える理由:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(3/5 ページ)
今回取り上げるのはUSEN−NEXT HOLDINGS。コンテンツが値上がりし、動画サービス各社が投資余力で戦う中、動画配信サービス「U-NEXT」はなぜ戦っていけるのでしょうか。
シェアが高いUSENを起点に、クロスセル営業しやすい仕組み
事業内容をあらためて振り返ってみると業務店向けには音楽配信のUSENや電力小売りのエネルギー事業、通信事業、自動精算機などの業務システム事業を行っていて、クロスセルが起きやすい仕組みとなっています。特にUSENに関しては国内シェア90%超の音楽配信サービスのため、そこの接点を起点に他のサービスへの営業もしやすいのです。
サービスも継続的に売り上げが立つものが多く、顧客獲得のコストを大きく積み増すことなく業績が積みあがっていくという非常に強い仕組みになっています。今期は減益でしたが、基本的には利益率が高まっていきやすい仕組みができています。
実際に営業利益率の推移を見ると、19年8月期は4.7%だったものが22年8月期には7.3%にまで上昇しました。
業績について、より詳しく見ていきます。
USEN−NEXT HOLDINGSの事業セグメントは
- (1)コンテンツ配信事業
- (2)店舗サービス事業
- (3)通信事業
- (4)業務用システム事業
- (5)エネルギー事業
と5つあります。
それぞれの事業の業績の推移は
- (1)コンテンツ配信事業:売り上げ190億2000万円(10.6%増) 利益18億7000万円(7.9%減)
- (2)店舗サービス事業:売り上げ153億7000万円(8.7%増) 利益24億6000万円(12.9%増)
- (3)通信事業:売り上げ128億2000万円(1.9%増) 利益12億2000万円(10.1%減)
- (4)業務用システム事業:売り上げ41億6000万円(12.4%減) 利益4億1000万円(50.2%減)
- (5)エネルギー事業:売り上げ133億5000万円(74.1%増) 利益3億円(198.0%増)
となっています。
コンテンツ配信は、売上においては大きな増加が続きながらも減益。店舗サービスとエネルギー事業は増収増益で好調。通信事業は売り上げは微増で減益。業務システムは大幅な減収減益──という状況です。
今回はコンテンツ配信事業を中心に見ていきますが、まずはその他の事業についても少しだけ触れていきましょう。
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