連載
人のいる全ての空間を「資産」に変える! リテール業界の飛躍を後押しするエッジAIとは:日本のリアル産業を救う“エッジAI最前線”(2/4 ページ)
リテール業界はエッジAIを使ったIoTによって飛躍的に進化できる──そう話すのは、AI開発スタートアップのIdein(イデイン、東京都千代田区)中村晃一CEO。数年前のAIブームは沈静化したように見えるが、ここにきて再び注目が集まっている。そのトリガーとなる技術が「エッジAI」である。
エッジAI技術の台頭
本連載では、リテール市場でどのような変化が起こっているかを具体的に解説していきます。まずは前提となる基礎知識として、エッジAIが注目された社会的背景とその特長について簡単に説明します。
近年、あらゆる産業において現場の可視化や高度な自動化を求めてビッグデータの取得ニーズが拡大し、その活用方法は高度化しています。この流れはもはや不可逆と言ってよいでしょう。その結果、常に大量のデータを送付し、必要に応じた処理をするデータセンターへの負担が集中してしまいます。加えてAIを活用する場合はその負担がより重くなります。
また、自動運転車や工場で稼働するロボットなどの実用化により、安全を確保できるよう通信ネットワークのタイムラグを極めて小さく抑える技術も求められるようになりました。さらに、各国で進む個人情報の収集に対する規制強化により、データをクラウドに収集すること自体が難しくなっています。
このような需要に応えるために発展したのがエッジAIです。エッジデバイスにAIを搭載して情報の分析や学習、推論までをデバイス内や付近のサーバで行う技術です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ファミマが掲げる“無人1000店” 小型・無人化で開拓する新たな商圏とは?
コロナ禍の影響もあって注目を集めている無人決済店舗。その導入で1歩リードしているコンビニが、ファミリーマートだ。なぜファミマは導入を加速させているのか。担当者に聞いた。
狙うは都心攻勢? 「スーパーの優等生」ヤオコーが仕掛けた一手を“深読み”してみた
ヤオコーが組織改正を発表した。3月1日付で、「SPA推進部」を新設する。同社によると「大きく変わることはない」ということだが、専門家に話を聞くと、実は重要な一手かもしれない。
広い売り場と大きな看板の店舗を劇的に“縮小” 洋服の青山が導入する「デジタル・ラボ」の威力
近年、実店舗とオンラインを融合させたOMO型店舗の出店が加速。2016年から開発に力を入れているのが「洋服の青山」を展開する青山商事だ。独自で開発した「デジタル・ラボ」の導入を進めている。
約150台のAIカメラで何が分かるのか イオン初の本格スマートストアの全貌
イオンリテールが運営する「イオンスタイル川口」は、デジタル技術を駆使した同社初の「本格的なスマートストア」と説明する。一体どのようになっているのか
御堂筋の歩道を広げてベンチを設置 人の動きはどうなったのか
梅田と難波を結ぶメインストリート「御堂筋」では、2017年からスマートストリート化を掲げた社会実験「御堂筋チャレンジ」が行われている。6車線のうち2車線をつぶして歩道に。GPSやカメラで人流解析をしたところ、どんな変化が見られたのか。

