遅々として進まないDX。果たしてこれからどこへ向かうのだろうか:上から目線の印象(3/3 ページ)
DXなくして企業ではないと言わんばかりの盛り上がりようだ。国(経産省)は、2022年7月に、今度は「DXレポート2.2」なるものを公表した。レポートをじっくり読むと……。
業務効率化がDXの一部であるかは、「デジタルの力をその改善のためだけに利用していることに危惧の念を抱いている」という言葉からすれば、それは違うのだろう。とするならば、約1割の企業しか、DXの目的に向けて進んでいないということか。
しかし、同調査の実際にDX推進のために具体的に行ったことの答えは、「ペーパーレスの推奨」が45.9%でもっとも多く、以下、「DX人材の確保」が38.5%、「システム開発」が36.7%、「DXに関する社内ビジョンの設計・共有」33.9%、「IT投資の予算増加」が32.1%、「バックオフィスSaaSの導入」が25.7%となっている。
要するに、日本能率協会の調査での「取り組みの成果が出ている」と約7割の企業というのは、ペーパーレスが進んだということなのか。
残念ながら、「デジタル産業宣言」と「ペーパーレスの推奨」では、ギャップを感じざるを得ないというのが正直なところだ。むしろ、実態がこうだから、「デジタル産業宣言」を出したということか。
しかし、果たしてこの「デジタル産業宣言」に、「そうか!」と思い、組織のビジョンや具体的なビジネス戦略を思い描ける経営者はどのくらいいるのだろうか。
課題として「DX人材の確保」をあげる企業も多いが、戦略も見えないところに人材も何もないと思うのだが、この先DXはどこに進んでいくのだろうか。(INSIGHT NOW! 編集部)
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