少子化でも1000億円市場の「学校制服」 大手4社がシェア7割の“特異”な背景:磯部孝のアパレル最前線(1/3 ページ)
新入生を持つ保護者にとって、2月は制服を買う時期。少子化の昨今でも、制服市場は1000億円規模だという。一方で、シェアは大手4社が7割を占めており、“寡占化”が進んでいる。
「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」とはよくいったもので、正月が明けてから、3月までは社会的な行事ごとが何かと多い。そしてあっという間に4月を迎え、新社会人や新入生のシーズンとなる。そこで今回は、新入生がこれから用意するであろう「制服」に焦点を当てたい。
「新入生の話をするのは、ちょっと早いのでは?」と感じた人もいるかもしれない。新たに中学校や高校に入学する子どもを持つ保護者にとって、ちょうど今の2月といえば「制服」を買う時期だ。菅公学生服が2016年に発表した「中学入学時の制服選び」に関する調査結果では、制服の購入時期は2月が37.2%で最も多い。
少子化とはいえ、まだまだ制服市場は大きい。17年に公正取引委員会がまとめた「公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書」によると、中学・高校における制服・夏服学生服・体操服などを含んだ市場規模は約1100億円にものぼるという。
ビジネスの場では、昨今「スーツ離れ」などが話題になっている。一方で制服がそれぞれの時代の流れによって、姿・形を変えながら今日まで生き残っているのは、なぜなのか。公正取引委員会の調査結果などを基に見てみよう。
制服指定の理由、1位は?
学校が制服を指定する理由は「秩序維持、生徒指導のため」が71.9%で最も多く、次いで「学校への所属意識を高めるため」が65.8%、「生徒や保護者の経済的負担を軽減するため」が58.5%とある。一方で、私服の着用を認めている学校は「制服を指定しない理由」として生徒の自主性や個性を伸ばすためとする回答が複数見られた。
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