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少子化でも1000億円市場の「学校制服」 大手4社がシェア7割の“特異”な背景:磯部孝のアパレル最前線(2/3 ページ)
新入生を持つ保護者にとって、2月は制服を買う時期。少子化の昨今でも、制服市場は1000億円規模だという。一方で、シェアは大手4社が7割を占めており、“寡占化”が進んでいる。
制服に関する保護者からの意見では「制服よりも私服の方がお金が掛かる」「制服は見た目上の経済的な格差が表れない」「勉強に集中できる」「冠婚葬祭などでも利用できる」といったものがあるとして、制服の指定に関する否定的な意見は少ないようだ。
一方で、保護者は制服の販売価格やデザインに関して敏感であり、制服の仕様が古い学校に対しては、学校側に対してデザインや機能性などの仕様変更を求める意見があるとしている。
流行トレンドの変化に影響されるカジュアル・ファッションとは異なり、制服には、学校の文化・伝統を継承している趣もあることが、デザインがなかなか変わらない一因だろう。一方で昨今は制服の好みがそのまま学校選びに影響しているケースや、ジェンダーギャップを意識した制服まで登場している。少子化が叫ばれる昨今、学校側としては柔軟に制服をアップデートして人気を高めるような意識変化も求められてくるだろう。
制服市場、4メーカーでシェア7割
学校制服市場は、大手4社が約70%のシェアを占有しているとされる。他の既製服メーカーの参入障壁となっているものとして、学校制服市場の「特異性」が挙げられるだろう。
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