ニトリの「アウトドア商品」が好調、その理由は?:キャンプ市場に新規参入組が続々(3/6 ページ)
コロナ禍を契機に急増した「キャンプ需要」。密を避けられるレジャーのひとつとしてファンを増やしつつあるが、果たして理由はそれだけだろうか? 消費者意識・行動の変化を考察しつつ、新規参入組の代表格「ニトリ」に、参入理由と戦略に迫ってみた。
加速する異業種の新規参入
アウトドア業界に新規参入したのは、ニトリだけではない。これまで見聞きすることのなかったメーカーやブランドが、新たに参入の姿勢を見せているのだ。
例えば、アパレル業界からはアーバンリサーチ。同社は19年、長野県茅野市でキャンプ場「タイニーガーデン蓼科」を立ち上げた。キャンプ場内にはテントサイトやロッジ、キャビンのほか、同社が運営するアウトドアブランド「エカル」のショップも展開している。
ちなみに、キャンパー847人のうち90%以上がアウトドアシーンでユニクロの商品を着用しているそうで(関連記事)。日常に溶け込んでいるファッションブランドの機能服が、アウトドアにおいても定番化していると言えそうだ。
食品業界からの新規参入も後を絶たない。カラミノフーズが発売した「冷凍食品で楽しむ 世界のアウトドア飯」は、ユッケジャンクッパや台湾ラーメンなど、世界の料理を野外で手軽に楽しむことを提案し、キャンパーへの訴求を進めている。調味料メーカーのヤマサは、SNS上で「キャンプ飯グランプリ」を開催し、アウトドア業界の盛り上げを画策している。
また、100円均一ショップのダイソーが、メスティンやシェラカップなどのキャンプ用品を一部店舗で展開したことや、文房具メーカーのコクヨが、オフィスでキャンプサイトの雰囲気を味わえるミーティング用テントを手掛けたことで話題をさらったのも記憶に新しいところだ。
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