ニトリの「アウトドア商品」が好調、その理由は?:キャンプ市場に新規参入組が続々(5/6 ページ)
コロナ禍を契機に急増した「キャンプ需要」。密を避けられるレジャーのひとつとしてファンを増やしつつあるが、果たして理由はそれだけだろうか? 消費者意識・行動の変化を考察しつつ、新規参入組の代表格「ニトリ」に、参入理由と戦略に迫ってみた。
消費者に届けるための販売戦略
ニトリのアウトドア用品の売れ行きが好調な理由は、商品の魅力だけではないようだ。22年、同社初の試みとなった2つの店内での販売方法も成功の秘けつと見ることができる。
1つめは、チェアの店内展示方法を変更したこと。バタフライチェアは座り心地が最大の魅力だが、これまでは来店客が試すには陳列棚から商品を降ろす必要があった。そこで手軽に試せるように、床への直置きに切り替えたというわけだ。
2つめは、デイキャンプシーンを提案する展示方法を導入したこと。ニトリで扱うBBQコンロや焚き火関連商品、チェア、テーブル、調理器具などを用い、実際のキャンプシーンを演出した売り場を展開(目黒通り店などの一部店舗にて)。屋内と屋外それぞれの使用シーンを提示して訴求することで、アウトドア用品で生活するライフスタイルの想起を図ったという。
アウトドア市場にはさまざまな業種が参入しているが、ニトリはどういった差別化を図っていくのか。同社がアウトドア用品の競合として挙げるのは、ホームセンター各社だ。ニトリのアウトドア用品は家でも使うことができ、そこが競合他社製品との違いである。
アウトドア用品として開発されているので、自宅ではオーバースペックになることもあるが、家で使う際には十二分な機能が備わっているとも言える。また、他の家具となじみやすいように、デザインや色をシンプルに仕上げらているのもポイントだ。その結果、キャンプサイトでも他のギアとマッチすることにもつながっている。
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