「フルリモート」で売り上げを伸ばす 採用代行の会社が好調の秘密:心地よく働きたい(3/5 ページ)
欧米などと比較してリモートワークの導入率が低い日本。そんななか採用支援などを手掛けるマルゴト社は、「フルリモートワークの体制」を貫き、現在は134人の社員を抱える。フルリモート経営でどう成果をあげているのか。
組織体制を強化、社内YouTubeの活用も
創業初期の2年間こそ低迷したものの、その後は順調に規模を拡大し、現在は134人の社員を抱えるまでに。初期こそ対面で面接していたが、規模が大きくなると採用活動もオンラインのみになった。一度もメンバーと対面せずに働いている社員も多いそうだ。
社員は全員が中途採用で、約6割は事業会社の人事経験者、あるいは人材業界出身者となる。代行業に携わる社員のほかに営業とマーケターが各1人、取締役が1人いる。フルリモートで回しやすいよう専門家集団としている。
「最初の3人を雇ったときは、日々のスケジュールからクライアント宛のメールの一字一句までガチガチに管理していました。ですが、そのうち2人は人事経験者だったので短期間ですんなりこなせるようになって。そこから管理を柔軟にして社員を増やしたのですが、20人を超えると管理しきれなくなり、5人のマネージャーを立てて3〜5人のチーム制にしました」
その後、50人を超えるタイミングで事業部長を採用し、マネージャーとのやり取りを一任。今氏が社員と直接やり取りしなくなった代わりに、YouTubeの限定公開機能を使って組織全体のスキルアップを図ったそうだ。
「特定の求人サイトの使い方、応募者から返信が来ないときの対応、採用のターゲットとペルソナの違いなど、僕が学んできたことを80本ほどの動画に収め、社内で公開しました。一時期は社内YouTuberのようでしたが(笑)、組織を一段階レベルアップさせるのに効果的だったと思います」
いよいよ100人を超えるというタイミングで、組織運営の経験に長けた人物を取締役として採用した。
「100人を超えるまで明確な評価制度がなく、組織としてのビジョンやミッションも定めていませんでした。各チームのクオリティーにバラつきも見え始めていて、これはいわゆる“100人の壁”だろうと。組織全体の整備が必要だと考え、経営陣を採用して組織の土台をつくってから新たな社員を雇うようにしました」
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