味の素がイトーヨーカ堂の創業者に「異例」の追悼コメントを発表した、意外な理由（1/2 ページ）

イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊名誉会長が死去したことを巡り、味の素が追悼のコメントを発表した。味の素の広報担当者によると、他社の経営者にコメントを発表するのは異例のことだという。なぜ、今回の発表に至ったのか。

[樋口隆充，ITmedia]

　イトーヨーカ堂の創業者で、セブン&アイ・ホールディングス（セブン&アイHD）の伊藤雅俊名誉会長が死去したことを巡り、味の素は3月13日、追悼のコメントを発表した。味の素の広報担当者によると、他社の経営者にコメントを発表するのは異例のことだという。なぜ、今回の発表に至ったのか。

味の素の本社（出典：同社公式Webサイト）

　同社は、藤江太郎社長名義でコメントを発表した。藤江社長は「伊藤名誉会長の生前の功績をしのび、心から哀悼の意を表する」とした上で「イトーヨーカ堂の設立だけでなく、コンビニエンスストアやファミリーレストランといった今では欠かせない生活インフラを日本に普及、根づかせた功績は、私ども企業経営者として尊敬の念に堪えない」と敬意を表した。

味の素の藤江太郎社長（出典：同社公式Webサイト）

　伊藤名誉会長は業界団体の日本チェーンストア協会会長や日本経済団体連合会（経団連）の常任理事なども歴任した。藤江社長はこうした社外での活動にも触れ「当社歴代トップとも多くの親交を賜り、生活者のニーズに寄り添った現場主義、お客さまや取引先から信頼を得ることの大切さを学ばせてもらった。味の素グループの代表として、生前のご厚情に心から感謝するとともに、安らかなご冥福をお祈りする」とした。

コメント全文（味の素提供）