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新型プリウス、先代より売れていなくても「大健闘」といえるワケ:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/4 ページ)
プリウスの新型モデルは、5代目であっと驚く変化を遂げました。新しいプリウスは燃費が良いだけでなく、「格好良くて、よく走る」クルマになったのです。では、その新型プリウスは、どれだけ売れたのでしょうか?
「ハイブリッド=プリウス」は通用しない
まず、現在のプリウスは、マーケットの中での位置付けが変化しています。先代プリウスの時代は、まだまだハイブリッドという車種は少数派でした。そのため「燃費の良いハイブリッドが欲しい」と思えば、プリウスが最初の選択肢となっていたのです。
ところが現在は違います。近年になってトヨタは、ほとんどの車種にパワートレインの一つとしてハイブリッドを用意するようになっています。下はコンパクトカーの「ヤリス」から、SUVは「ライズ」、セダンは「カローラ」からエンジン車だけでなく、ハイブリッドが用意されています。セダンの「カムリ」や、新型「クラウン」はハイブリッド専用車です。
逆に、エンジン車だけという車種は、スポーツカーとダイハツからOEMされたコンパクトカーくらいになっています。
そうなると、「ハイブリッドが欲しいからプリウスを買う」はもはや通じなくなってしまいました。「他にもハイブリッドがあるけれど、あえてプリウスが欲しい」という人を納得させる必要が生まれてたのです。それが、今回の「アッと驚く」新型の変化の理由と考えられます。
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