ファミマの「生コッペパン」1000万食突破 ヒットの要因は“古臭さ”払拭にあり:女性客の購入が8〜9%増えた(2/4 ページ)
ファミリーマートが手掛ける「生コッペパン」シリーズの販売が好調だ。同社によると、2月末の発売から20日間で1000万食を突破。なぜ、生コッペパンシリーズを商品化したのか。経緯とヒットの理由を同社広報に聞いた。
独自調査で具材決定 食感異なる2つのパン生地
次に着手したのが、具材選びだ。企画段階で「好きなコッペパンの具材」に関して3000人を対象に独自調査したところ、菓子パンでは「あんバター」、総菜パンでは「たまご」がそれぞれ1位に。結果的にその後のヒットで、5種類にラインアップを拡充することになるが、第1弾としては「たまご」と「あんバター」の商品化を決めた。
商品、具材が決まり、ようやくパンの主役ともいえる生地作りに取り掛かることができた。生地で目指したのは「懐かしさ」と「新しさ」の両立。企画段階で「中高年と若年層の架け橋」を掲げていたためだ。それに加え、あんバターとたまごとのマッチという点も求められた。
総菜パンと菓子パンでは、当然のことながら、同じコッペパンでも合う生地が異なる。検討の結果、総菜パンには「たっぷり具材に合うみずみずしくもっちりした生地」を、菓子パンには「最後にパン生地だけが口の中に残ることがないように口の中で具材と同じスピードで消えていく生地」をそれぞれ目指すことを決めた。
トレンド反映 独自の工法確立
生地作りでは、パン業界でのトレンドを参考にした。同社によると、総菜パンに使用する「もちっと生地」は水分を多く含んだ生地で作る「多加水製法」、菓子パンに使用する「くちどけ生地」は、バターや卵を多く使った「ブリオッシュ生地」を使うのがベーカリーのトレンドだという。
ただ、どちらの生地も柔らかく、緩い生地であるため、手作りベーカリーが得意とするものであって、大量生産には不向きとされていた。生クリームに加え、材料の配合や焼き時間を工夫することで独自の手法を確立した。
同社によると、従来のコッペパン生地と比較し、卵の量は約8倍、マーガリンの量は約15倍に増量したという。
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