ファミマの「生コッペパン」1000万食突破 ヒットの要因は“古臭さ”払拭にあり:女性客の購入が8〜9%増えた(3/4 ページ)
ファミリーマートが手掛ける「生コッペパン」シリーズの販売が好調だ。同社によると、2月末の発売から20日間で1000万食を突破。なぜ、生コッペパンシリーズを商品化したのか。経緯とヒットの理由を同社広報に聞いた。
「生クリーム」から命名の「生コッペパン」
こうして、総菜パン向けのしっとり、もっちりとした食感、菓子パン向けのしっとり、くちどけのいい、独自開発のコッペパンが誕生した。ファミマには「生カヌレ」「生チーズケーキ」「生とろプリン」など、商品名に「生」を入れた人気商品が多い。生クリームの使用や自社製品の成功例を反映し、「生コッペパン」と命名した。
「コッペパンは一時のブームからは落ち着いた状態で、トラディショナルな商品。『生ドーナツ』『生カヌレ』など「生」をうたったパンとその食感が若者を中心にブーム・トレンドとなっている。『トラディショナル』+『トレンド』の組み合わせで新しい商品が生まれた」(ファミマ広報)
古臭さ払拭 女性客の購入増える
「トラディショナル」という広報が使った言葉からも分かるように、コッペパンといえば、学校給食のイメージが強く、一見すると「古臭い」というイメージもある。俳優の吉田鋼太郎さん、モデル・女優の八木莉可子さんをCMに起用し、ターゲットとした中高年と若年層の両方に届くようPRした結果、20日間で1000万食突破というスピード記録を樹立した。
生コッペパン発売後は、購入層に変化もみられた。これまでコッペパンを使った商品の主な購入層は40〜50代の男性が中心だったが、発売後は女性客の購入が8〜9%増加したという。同社は「コッペパンに『生』の要素を加えたことで、これまでコッペパンを購入していない女性のお客さまにもコッペパンを手に取っていただけたのではないか」と分析している。
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