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江ノ電の名物「12分ダイヤ」はなぜ終了したのか 70年も続いたのに杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/6 ページ)

「江ノ電」は、神奈川県の藤沢市と鎌倉市にまたがって走る電車だ。名物の1つに「12分ダイヤ」があり、70年以上も変わらず使われてきた。しかし2023年3月18日のダイヤ改正で、その伝統が終わった。江ノ電は14分間隔になった。伝統が終わった背景と、14分間隔になった理由を紹介する。

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 「江ノ電」は、神奈川県の藤沢市と鎌倉市にまたがって走る電車だ。沿線には鎌倉大仏の高徳院、あじさい寺の明月院など、鎌倉時代からの由緒ある寺が多い。そして観光地・江ノ島がある。それだけではなく、にぎわいから少し離れた海沿いの車窓も素晴らしいし、短いながらも路面電車のような併用軌道区間もある。ここは鉄道ファンではなくともワクワクすると思う。


路面区間は江ノ電の特徴のひとつ。右の店は「江ノ電もなか」の扇屋

 沿線は何度も映画やドラマのロケ地になっていて、江ノ電の知名度は全国区だ。いや、いまや国際観光地でもある。鎌倉高校前駅付近の踏切はアニメ『スラムダンク』の踏切として海外からファンが集まる。


「スラムダンクの踏切」は、平日にもかかわらず訪日観光客が集まる(筆者撮影)

 路面電車サイズの電車が2両または4両連結で走るところもかわいいし、鎌倉の風景に似合っている。江ノ島や鎌倉を訪れた人なら、誰もが江ノ電を見ているし、ほとんどの人が乗っているはず。なぜなら、海岸沿いの国道134号線が常に渋滞しており、江ノ電を使った方が目的地に早く着くからだ。ゆえに地域の人々にとっても生活に重要な路線だ。


江ノ島電鉄路線図。丸印が駅、赤丸は行き違い設備のある駅(地理院地図を筆者が加工)
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