「東急の自動運転バス」実証実験2回目、真の目的と課題が見えた:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/6 ページ)
東急と東急バスが、3月に多摩田園都市エリアで自動運転バスの実証実験を行った。2回目の実験で、今回は新たなルート。一般試乗客を募り、LINEでの予約システムの実験も行われた。安心・安全を強化するため、車内外の遠隔監視システムの運用実験も行われたが、サービス提供にはまだ課題がある。
2つの理由で体験乗車できず、見物だけ
前回の実験コースは私の自宅の近くで、私の日課の散歩エリアだった。良い機会なので、これからも見届けたいと思っていた。2回目の実証実験は、2月22日に日程が発表された。3月7日から13日まで。私も楽しみにしていたけれど、2つの理由で試乗できなかった。
理由の1つ目は私の問題だ。2月下旬から発熱して動けず、熱が引いたら上腹部に激痛あり。2月28日の夜に病院の緊急外来に行って検査した結果「総胆管結石」と判明し、翌日の3月1日に内視鏡手術を受けた。
麻酔から覚めてメールをチェックすると、東急から3月7日の取材会の案内が来ていた。しかし私は退院まで1週間かかるといわれており、無念の欠席連絡。東急広報から「お近くにお住まいなら退院後にぜひ体験を」と予約用LINEアカウントを教えていただく。7日に退院できたけれど取材会は間に合わなかった。
2つ目の理由は常に満席で予約できなかった。運行時間は10時から16時まで、1時間当たり2便で、1日12便を運行する。LINEの「東急 自動運転」のアカウントをフォローして、トーク画面で予約しようとした。8、9日はまだ外出する体力がなく、予約確認だけだが満席。10日の金曜日は運休日。土日も満席で、買い物客などでにぎわっていただろうから当然だ。
そして13日月曜日の最終日も満席だった。せめて走行場面だけでも見に行こうと思った。最終便の時刻に合わせて、自宅から徒歩で「すすき野とうきゅう」へ。乗降場所は横断歩道を渡り、少し「ミニストップ虹ヶ丘店」へ歩いたところ。特に乗降場所を示す看板はなかった。情報はすべてLINEで提供される仕組みだ。「すすき野とうきゅう」の店舗内外にバスの運行を示すポスターなどはない。先進的な実験をもっとアピールすればいいのに、と思うけれど。
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