「まる・ちょき・ぱー」で操作可能! 「扇風機」に並々ならぬ情熱を注ぐシロカ社長が語った“こだわり”:家電トレンド解説(3/4 ページ)
手の形でオンオフや首振りを操作できるシロカの「めくばりファン」。実は、シロカは「扇風機」に並々ならぬ情熱を注ぐ企業として知られる。金井まり社長に、「めくばりファン」のこだわりを聞いた。
シロカが扇風機に並々ならぬ情熱を注ぐワケ
めくばりファンのアイデアは、2020年に社長に就任した金井まり氏によるものだ。
「扇風機の風にあたりたい人もいれば、あたりたくない人もいる。実体験として、熱のこもるキッチンでの作業中、首振りにしていてもなかなか欲しいところに風が来なくて暑い、自分が動いてもそこに合わせて風を送ってほしい、と思ったことが開発の1つのきっかけになっています」(金井氏)
金井氏の前職は空調家電を扱う台湾のODMメーカーの副総経理(副社長)。現在のシロカは、家電量販店のオリジナル商品をはじめ、多種多様な業界の会社から、製品開発の依頼を受けている。20年以上にわたって、扇風機の製品企画や品質管理に携わってきた金井氏だけに、扇風機には並々ならぬ情熱がある。
「めくばりファンで特にこだわった点の1つが『ひとセンサー』です。開発初期は、もともと異なるセンサーの使用を検討していましたが、『人を追従して送風する』ことをとにかく重視したかったため、その点が最もうまくいくセンサーを模索し、最終的に画像解析を使った現在の『ひとセンサー』にたどり着きました。
センサーのテストでは、さまざまな方に幅広いシチュエーションでお使いいただくために、想定される数多くのパターンでの検証を行いました。開発のぎりぎりまで試験条件を細かく確認し、さまざまなシーン、多様な方々(老若男女、お身体が不自由な方にも)の使用を想定しています。
また、風の質にも強いこだわりがあります。微風から強風まで幅広い風を一台で実現しながらも、静音性にこだわりました。微風は、途切れずにやわらかい風が届き、風を浴びている人が疲れない、身体の熱を奪わない程度のやさしい風。強風は、部屋中換気できるくらいパワフルで直進性の高い風を出せるように改良を重ねています」(金井氏)
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