企業のリスキリング導入 1人当たりの予算はいくら？：人事担当者に聞いた（2/2 ページ）

サイトエンジンは、日本国内企業の人事担当者を対象に、「リスキリングの導入状況」に関する調査を実施した。企業のリスキリングの取り組み状況について聞いたところ、リスキリングの取り組みを行った経験がある企業は全体の半数を超えた。

[コネムラメグミ，ITmedia]

リスキリングの年間予算は？

　従業員1人当たりにかけるリスキリングの年間予算については、最多が「11万〜20万円」（30.6％）、次いで「6万〜10万円」（20.8％）、「21万〜30万円」（15.3％）、「5万円以下」（11.1％）だった。

リスキリングの年間予算

リスキリングの取り組み内容は？

　リスキリングの取り組み内容を尋ねた。最も多かったのは「管理職のスキル把握、可視化」（68.1％）、「一般従業員のスキル把握、可視化」（63.9％）など、従業員のスキルを見える化する取り組みを行う企業が多かった。

リスキリングに取り組んでいる、または取り組んでいた内容

　他に「Eラーニング実施」（63.9％）、「社員の資格取得支援」（52.8％）、「ローテーション制度」（45.8％）など、従業員のスキルを向上させるための取り組みを実施している企業が多かった。

導入した理由・しない理由

　リスキリングを導入した、あるいは導入を検討する理由で最多だったのは「業務効率化･生産性の向上」および「専門人材の育成」（いずれも62.2％）、「社員のモチベーションアップ」（54.1％）だった。

リスキリングを導入した、あるいは導入を検討する理由

　一方で導入しない（検討しない）と答えた企業にもその理由を聞いた。最多は「時間とコストがかかる」および「導入のノウハウや知識がない」（いずれも34.1％）だった。3割近くの企業が「社員のリスキリングに対する意欲が低い」（29.3％）とも回答している。

リスキニングを導入しない理由

　リスキニングに関し、国も促進する取り組みを開始した。22年10月の臨時国会で、岸田首相は「個人のリスキリングの支援に5年で1兆円を投じる」と表明した。今後、各社でのリスキニング導入への動きが注視される。

　今回の調査は、日本国内企業の人事担当者を対象にインターネットで実施した。期間は4月3〜4日、有効回答数は139人。