ChatGPT開発企業のアルトマンCEO「AIはiPhoneのように平等化に役立つ技術」:慶応大で対話
ChatGPT開発企業「米OpenAI」のサム・アルトマンCEOは慶応義塾大学で学生と対話し、同社が開発する生成AIについて「貧しい人の方が救われる平等化に役立つ技術」だと語った。
ChatGPT開発企業「米OpenAI」のサム・アルトマンCEOは6月12日、慶応義塾大学で学生と対話し、同社が開発する生成AIについて「貧しい人の方が救われる平等化に役立つ技術」だと語った。
会場には800人以上の学生が詰めかけ満員に。学生から「AIは低所得の国の人たちのために、何ができるでしょうか」と質問が出ると、アルトマンCEO は2つできることがあると思うと回答した。
“AI代替”される雇用についての見解は?
同氏は「技術革命はみんなを引き上げるのです。(その中でも)最も貧しい人たちが最も大きく助けられる」としながら、医療と教育について言及した。
「全世界的に今、貧しい人たちが素晴らしい医療へ手が届かないわけですが、素晴らしい医療のアドバイスを無料にできれば大きく役立つわけです」
教育についても以下のように話した。
「豊かな人たちは教育にお金を払うことができますが、その素晴らしい教育を無料に近い値段でみんなに提供することができれば、富める人たちよりも貧しい人たちの方が助かるわけです。iPhoneもそうですけれども、平等化に大いに役立ちました。私たちの技術も平等化に役立つ技術だと思います」
学生から「AIによってなくなる雇用もあります」と指摘されると、アルトマンCEOは「いい点を挙げられました。職業が変わってくるということですね」と返した。具体的な雇用の変化について「予想がつかない」としながらも「私たちはいろんなことを探求しなければなりません」と話す。
「10年前の専門家に聞いたなら、自動化は人々にとって非常にマイナスだといわれていました。肉体労働、知的労働の低い仕事、最後にはコンピュータープログラマーのような高い知的な仕事をしている人も職がなくなる。クリエイティビティも乗っ取られるかもしれまない。こんなことをいわれていました。ですが、全く逆行しているわけですね」(アルトマンCEO)
総合的にAIによって「富める人よりも貧しい人のほうが救われると思う」と話し、貧しい人を救う技術だという認識を示した。
この日、対話に参加した慶応義塾大学2年生でコンピューターサイエンスを専攻している渡辺翔音さんは「実際にアルトマンCEOをこの目で見ることができて感銘を受けた」と話す。
「実際に普段からChatGPTを自分の書いたコードのレビューなどに使っています。ただのサポートツールではなく“メンター”のような形で活用しています。アルトマンCEOが来ると聞いて、他の予定をずらしてでも参加したいと思いました」(渡辺さん)
アルトマンCEOは対話の中で、その他にも多くの質問に答えた。経営者向けサイトの「CxO Insights」では明日以降、詳報していく。
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