スズキ、ダイハツ、トヨタが軽商用EVを共同開発! 驚きのニュースが飛び出た背景:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)
ほとんどの自動車メーカーがEVを発売しています。ところが、その売れ行きはなかなかに厳しく、現状、日本でEVはさっぱり売れていません。一方で、EVが有望なジャンルも存在します。
商用車のEV化の裏にある企業の本音
そもそも、政府によるカーボンニュートラルは、乗用車を購入する一般人にとって基本的に関係のない話です。目標が達成されなくても罰則はありませんが、企業は違います。特に大企業ほど、カーボンニュートラルは重要な目標です。その達成のために、企業活動に使用する車両からのCO2排出を減らしたい。それが企業の本音でしょう。
そのため、過去にEVを導入しようという企業の動きは数多くありました。例えば10年に日本郵便が、ベンチャー企業から改造EVを1000台導入しようとしたこともあります。このときは納期などの問題で、実現できませんでした。その後、日本郵便は15年にトヨタ車体の小型EV「コムス」導入の実証実験を行っています。さらに19年からは三菱自動車の軽EV「ミニキャブ・ミーブ バン」の導入をスタート。20年からは、ホンダのEVバイク「BENLY e:」も使い始めました。街中を走る赤いEVを目にした人も多いはずです。
また、ヤマト運輸は20年からドイツ製のEVトラックを導入開始しました。首都圏で500台という規模のため、まだまだ知名度は高くありませんが、ユニークなスタイルは、一度見れば忘れることはないのではないでしょうか。
そんなEVを使う、いわば需要側の要望に応えるように、最近になって日本の自動車メーカー側の動きも活発になっています。
最初に声をあげたのは三菱自動車で、20年10月に生産終了となっていた軽商用EVの「ミニキャブ・ミーブ」の再販売を発表します。この時点でミニキャブ・ミーブは、軽の商用EVとしては唯一の存在でした。これもカーボンニュートラルに向けた世論の盛り上がりが背景にありました。
次はホンダです。ホンダは昨年12月に「新型軽商用EVを2024年春に発売」と発表しました。すでに販売されているガソリン・エンジン車の「N-VAN」をベースとしたEVを投入するというアナウンスです。そして6月からは、ヤマト運輸と一緒に、新型軽商用EVの集配業務の実用性の検証を行うとも発表しました。
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