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味の素CEOが語る「ピラミッド型のイエッサー文化」から脱却する組織論:過去最高の売上高(1/2 ページ)
人的資本経営に、企業はどう対応をすればいいのか。味の素CEOに人材や技術、顧客などの無形資産が経営にとって重要な役割を果たす理由を聞いた。
従業員をコストではなく投資の対象として見る人的資本経営に、企業はどう対応をすればいいのか。先進事例として挙げられるのが味の素だ。
同社はアミノ酸の技術を活用し、「おいしさと栄養」を軸に調味料や冷凍食品をグローバルで展開。ヘルスケア製品、医療事業、半導体パッケージ用の層間絶縁材料をはじめとする電子材料の開発など、幅広い事業を手掛けている。
同社の藤江太郎CEOは中国食品事業部長やフィリピン味の素社長、ブラジル味の素社長など海外で10年以上勤務し、赤字の事業を黒字化してきた。味の素CEOに就任してからは、新たに「中期ASV経営 2030ロードマップ」を掲げている。23年3月期(2022年度)連結決算では、売上高1兆3591億円(前年度比18.2%増)と過去最高を記録した。
味の素は、社会価値と経済価値を共創するASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)経営を掲げ、成長を続けてきた。ASV経営の特徴は、非財務価値と財務価値の両立にある。藤江CEOは、非財務価値を「未来には財務価値につながるもの」として“未”財務価値と言い換え、ASV経営の重要性を強調した。
同社のASV経営が目指す「アミノサイエンスを通じて人々の健康や社会の福祉に貢献すること」を達成するには、人材や技術、顧客などの無形資産が重要な役割を果たすという。その理由を聞いた。
藤江太郎(ふじえたろう) 1961年生まれ。京都大学農学部卒業後、1985年に味の素入社。中国食品事業部長やフィリピン味の素社長、ブラジル味の素社長など10年以上の海外勤務を経て2017年に常務執行役員、22年4月に社長就任(撮影:乃木章)
ピラミッド型のイエッサー文化から脱却するには?
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