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「電動キックボード」の問題は何か メリットとリスクを考える:池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/5 ページ)
7月1日から、電動キックボードの新ルールが適用された。最寄駅からのラストワンマイルを快適に移動する新たなモビリティとして期待されているが……。
路上で見かけていた電動キックボードはどうなる?
ここまで読んで、7月1日から新ジャンルの車両ルールが制定されたことを理解していただけたかと思うが、だったら今まで路上で見かけたヤツは一体なんだったのかと疑問を持つ人もいるだろう。それにはいくつかのパターンがあった。まずは本来公道では走れない道公法非適合の私有地専用モデル。言うまでもなく違法なものだ。
次に第1種原動機付き自転車、つまり従来の原付スクーターに分類されていて、当然原付のルールが適用されるので、要免許かつヘルメットは義務付け。灯火類やナンバーも含めて全て原付と同じ扱いだ。
最後の1つ、都市部のコンビニの店頭で、シェアサービス運用されていた電動キックボードは、特定地域での実証実験として、特例電動キックボードとして運用されてきたもの。新たにできた特定小型原動機付き自転車に進むためのステップとして試験的に運用されてきたが、新法規の施行によって、この実証実験は終了し、2024年12月までの移行期間を経て順次新ルール適合のものへと切り替わっていく。
要するにこれまで道路で見かけたノーヘルの電動キックボードは実証実験と違法運用がまだらに混じった状態だったわけだ。ちなみに新制度ではヘルメットの着用は「努力義務」となっていて、目下議論の対象になっている。
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